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キャッシングとカードローンの違いとは?賢い使い分け方法をわかりやすく解説

キャッシングとカードローンの違いとは?賢い使い分け方法をわかりやすく解説

キャッシングとカードローンは、どちらも現金を借りられるサービスという点は同じですが、金利や借入限度額などに違いがあります。特徴が異なるためケースに合わせて使い分けることが重要です。

当記事では、キャッシングとカードローンについて解説します。それぞれの特徴や使い分け方法を紹介するので、どちらを利用すればいいか迷っている方は参考にしてみてください。

※当記事では、キャッシング=クレジットカードに付帯するキャッシングとして解説しています。

この記事でわかること
  1. キャッシングとカードローンの違い
  2. キャッシングとカードローンの特徴
  3. キャッシングとカードローンの使い分け方法

キャッシングとカードローンの特徴

「クレジットカード付帯のキャッシング」と「カードローン」は、どちらも銀行やコンビニのATMから現金を借りられるサービスです。キャッシングとは本来「現金を借り入れできるサービスの総称」なので、カードローンも広い意味ではキャッシングに含まれます。

しかし、一般的にキャッシングという言葉は「クレジットカードに付帯するキャッシング」を指すことに使われることが多いため、本記事ではキャッシング=クレジットカード付帯のキャッシングとして解説していきます。

クレジットカード付帯のキャッシングとは

キャッシングとは、クレジットカードで現金を借りられるサービスです。クレジットカードにキャッシング機能を付帯させることで、利用可能な枠内で現金を借り入れできます。

クレジットカードは、買い物に利用できる「ショッピング枠」と現金を借りられる「キャッシング枠」が決められており、それぞれ限度額として明細書に記載されています。別々に限度額が設定されていますが、キャッシング枠はショッピング枠に含まれるため注意が必要です。

例えばショッピング枠が30万円でキャッシング枠10万円のクレジットカードの場合、キャッシングを10万円利用すると、ショッピング枠は20万円までしか使えません。キャッシングを利用しなければ、ショッピング枠は総利用枠の30万円利用できます。

キャッシング枠は、クレジットカード発行時に自動で付帯するケースもあれば、希望して付帯するケースもあります。発行時に付帯していない場合でも、後からキャッシング枠の付帯・増枠を申請することも可能です。ただし、キャッシング枠の申請には審査があり、必ず付帯されるとは限りません。また、一般的にキャッシング枠の限度額は低めに設定されており、多額の借り入れは難しい場合があります。

カードローンとは

カードローンとは、銀行や貸金業者が個人に対して行う無担保融資のことです。銀行や信販系・消費者金融系のノンバンクなど、さまざまな金融機関がカードローンを提供しています。

カードローンはお金を借りることに特化したサービスなので、クレジットカードのようなショッピング枠はありません。また、利用するためには審査を通過する必要がある点は、キャッシングと同じです。

キャッシングとカードローンの違い

キャッシングとカードローンは同じ現金を借り入れできるサービスですが、それぞれ特徴が異なります。キャッシングとカードローンの違いを「金利」「借入限度額」「借入方法」「返済方式」の4つの観点から比較してみましょう。

キャッシングとカードローンの比較
キャッシング カードローン
金利 (カードローンに比べて)高め (キャッシングに比べて)低め
借入限度額 (カードローンに比べて)少なめ (キャッシングに比べて)多め
借入方法
  • 銀行・コンビニなどのATM
  • 口座振り込み
  • 銀行・コンビニなどのATM
  • 口座振り込み
返済方式
  • 1回払い
  • リボルビング払い
  • リボルビング払い

金利

金利とは、借り入れた金額に対して支払う利息の割合です。金利が低いほど利息で支払う金額が少なくなります。

キャッシングとカードローンの金利を比較すると、カードローンの方が低い場合が多いです。借入限度額が多いほど金利は設定された範囲内で低くなる傾向があります。多額の借り入れをする予定の方は、カードローンの方が支払う利息は安くなる可能性が高いでしょう。

借入限度額

借入限度額とは、キャッシングやカードローンで借り入れできる上限の金額を指します。キャッシングやカードローンは利用する会社ごとに借入限度額が異なるため、申し込む前に必ず確認しましょう。

借入限度額は、カードローンの方がキャッシングより高額に設定されている傾向があります。クレジットカードの総利用枠はキャッシング枠とショッピング枠の合計となるため、多額の借り入れは難しいです。

借入方法

キャッシングとカードローンは、ともに全国の銀行やコンビニのATMなどで現金の借り入れができます。また、多くの場合はインターネットや電話で申し込むことで、口座振り込みによる借り入れも可能です。キャッシングの場合は、海外でも借り入れできます。

借り入れする際、ATM利用手数料や振込手数料がかかります。なかには手数料が無料になるサービスもあるのでチェックしておきましょう。

返済方式

キャッシングの返済方式は1回払いとリボルビング払いを選択できます。対して、カードローンは基本的にリボルビング払いのみです。

1回払いは、元金と利息の合計金額を一括で返済する方法です。利息が抑えられるのがメリットですが、借入額が多いと返済が難しい場合があります。

リボルビング払いは、元金と利息を合計した一定額を毎月返済する方法です。毎月無理のない返済額に設定できますが、返済が長引くため支払う利息は多くなります。

返済方式はキャッシングやカードローンの使いやすさにかかわるポイントなので、申し込みや利用前にチェックしておきましょう。

キャッシングとカードローンのおすすめの使い分け

キャッシングとカードローンは、違いを理解して賢く使い分けることが大切です。それぞれに向いているケースを確認してみましょう。

キャッシングが向いているケース

以下のケースでは、キャッシングの利用が適しています。

キャッシングの利用が向いているケース

  • 少額だけ借り入れしたい
  • 借り入れの頻度が少ない
  • 手持ちのカードですぐに借り入れしたい
  • 新しいカードを増やさず借り入れしたい

キャッシングのメリットは、手持ちのクレジットカードですぐに借り入れできることです。新しくカードを作る必要がなく、キャッシング枠がすでに付帯していれば申し込みもいりません。

ただし、借入限度額の高さや金利ではカードローンに劣る傾向があるため、多額の借り入れや長期的な利用には不向きです。

カードローンが向いているケース

以下のケースでは、カードローンの利用が適しています。

カードローンが向いているケース

  • 借り入れする金額が大きい
  • 頻繁に利用したい
  • 借入期間が長い
  • 利息の支払いを抑えたい

カードローンはキャッシングより金利が低くなる傾向があるため、多額の借り入れや長期間の利用に向いています。キャッシングより借入限度額を高く設定できるのもメリットです。

デメリットは、今までカードローンを利用していない場合、新しく申し込みが必要な点です。審査やカードの発行があるため、借り入れまで時間がかかる可能性があります。また、人によっては新しくカードが増えると煩わしさを感じることもあるでしょう。

しかし、カードローンによっては、審査時間が最短1時間程度で終わるものや、カード発行不要のものがあり、デメリットを減らせる場合もあります。

キャッシングの利用方法

キャッシングの利用方法は、大きく5つのステップに分けられます。

キャッシングの利用方法

  1. キャッシング枠の設定
  2. 必要書類の提出
  3. 審査
  4. 借り入れ
  5. 返済

新しくクレジットカードを作成する際は、申し込み時にキャッシング枠を設定します。手持ちのクレジットカードにキャッシング枠を設定する場合は、会員専用サイトや電話から申請することが可能です。申し込みの際、キャッシング枠の設定には年収が確認できる書類が必要となる場合があります。クレジットカードを新たに作成する場合は、運転免許証などの本人確認書類も必要です。

なお、クレジットカードの作成やキャッシング枠の設定には審査が必要です。審査に通らなかった場合は利用できないので注意しましょう。

借り入れはコンビニや銀行、郵便局のATMなどで行えます。また、インターネットや電話で申し込めば、指定の口座へ振り込みも可能です。

返済はリボ払い(毎月一定額)または1回払いがあり、希望の返済方式を選ぶことができます。

カードローンの利用方法

カードローンの申し込みから利用までの流れは以下の通りです。

カードローンの利用方法

  1. カードローンの申し込み
  2. 必要書類の提出
  3. 審査
  4. カードの発行
  5. 借り入れ
  6. 返済

申し込みはインターネット上から可能です。申し込みフォームに必要な情報を入力して送信しましょう。必要書類の提出はインターネット上から送信するか、郵送で提出可能です。審査に通ればカードが自宅に郵送されます。

まとめ

当記事では、キャッシングとカードローンについて解説しました。キャッシングとカードローンは特徴の違いから利用に適したシーンが異なるため、使い分けが重要です。手持ちのクレジットカードで少額だけ借りたい場合はキャッシング、多額を長期間借り入れしたいならカードローンなど、用途に合わせて適したサービスを選びましょう。キャッシングやカードローンを賢く利用して、日々の生活に役立ててください。

よくある質問

クレジットカード付帯のキャッシングとカードローンの違いは何ですか?

大きな違いは金利と借入限度額です。

金利を比較すると、カードローンの方がキャッシングより低い場合が多いです。カードローンの金利は借入限度額が多いほど設定された範囲内で低くなる傾向があります。多額の借り入れをする予定の方は、カードローンの方が支払う利息は安くなる可能性が高いでしょう。

借入限度額は、カードローンの方がキャッシングより高額に設定されている傾向があります。クレジットカードの総利用枠はキャッシング枠とショッピング枠の合計となるため、多額の借り入れは難しいです。

どちらも現金を借りられるサービスという点は同じです。それぞれの特徴を理解して、自分に適した方を利用しましょう。

クレジットカード付帯のキャッシングのメリット・デメリットは?

メリットは手持ちのクレジットカードで利用できる手軽さ、デメリットは金利の高さと借入限度額の低さです。

すでにクレジットカードにキャッシング枠が付帯されていれば、すぐに借り入れが可能です。ただし、金利や借入限度額の条件は、カードローンより不利になります。

カードローンのメリット・デメリットは?

メリットは金利が低く、借入限度額が高いこと。デメリットは利用開始まで時間がかかる可能性があることです。

カードローンはキャッシングより金利が低く、借入限度額が高い傾向があるため、単純な条件の比較では勝るケースが多いです。ただし、新しくカードローンを申し込む場合、審査やカードの郵送で時間がかかり、すぐに借り入れできないこともあります。

キャッシングとカードローンをどのように使い分ければいいですか?

手軽に少額だけ借り入れしたい場合はキャッシング、多額の借り入れや長期間の利用ならカードローンが適しています。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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