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カードローンとは?キャッシングとの違いや正しい使い方をわかりやすく解説

カードローンとは?キャッシングとの違いや正しい使い方をわかりやすく解説

カードローンとは、金融機関や貸金事業者が個人向けに提供している融資サービスです。返済方法を知り、計画的に利用すれば安心して借り入れができます。

カードローンは原則担保なし・保証人なしで借りられるので、保証人手続きが必要なく融資までがスムーズです。借入金の用途が制限されていないため、さまざまなシチュエーションに役立ちます。すぐにお金が必要な場合には選択肢のひとつとして検討してみてください。

ただし、無計画に借りるのはトラブルのもとになりかねません。安心して利用するために、限度額や利息についても知っておきましょう。

この記事でわかること
  1. カードローンとキャッシングの違い
  2. カードローンのメリットと注意点
  3. カードローンの申し込みの流れや審査について

カードローンとは

カードローンとは、金融機関や貸金事業者が個人向けに提供している融資サービスです。契約時に決定した限度額の範囲内であれば、何度でも借り入れできます。

カードローンの申し込みには、カードローン会社ごとに18歳以上かつ収入の安定性などの申込条件が設けられており、申込時にはこれらの事項を確認するための審査が行われます。審査で承認されれば借り入れができますが、申込条件に当てはまっていても状況によっては必ず審査に通るわけではないことを押さえておきましょう。

審査通過後は、発行されたローン専用カードを使用してコンビニや銀行のATMなどで現金を引き出したり、カードローン会社の会員専用サイトから自分の口座へ振込依頼をしたりすることで借り入れが可能です。契約時に金利が決定されるので、返済時には借りた金額に利息を加えて返済します。

利息とは、借りたお金に対して払う使用料のことです。利息は金利に応じて変わるため、金利が低いほうが利息は少なく済みます。

キャッシングとの違い

キャッシングとは、本来「現金を借りられるサービスの総称」です。しかし、一般的にはクレジットカードに付帯するキャッシング機能のことを「キャッシング」と呼ぶことが多いです。

クレジットカード付帯のキャッシングとは、クレジットカードで現金の借り入れができる機能のことを指します。クレジットカードを作成するときにキャッシング枠をつけるかどうかを選択でき、キャッシング枠が付帯している場合はクレジットカードを使って利用限度額の範囲内で現金を借り入れできます。

カードローンとクレジットカード付帯キャッシングサービスの違い
カードローン クレジットカード付帯キャッシング
借り入れに使うカード 借り入れ専用のカード クレジットカード
カードローン利用用途 借り入れのみ ショッピング・借り入れ両方
金利 キャッシングに比べ低め カードローンに比べ高め
限度額 数十万円~数百万円 数十万円

カードローンは、キャッシングに比べて金利が低めで、限度額も個人差はありますが数十万円~数百万円までと設定されています。

キャッシングは1枚のカードでショッピングと借り入れの両方に使える便利さがあります。金利が高めで、限度額が低めに設定されていますが、手持ちのカードですぐに借り入れしたいときに有効です。

限度額とは、借入上限額のことです。例えば「ORIX MONEY(オリックスマネー)」では、サービスとしての限度額を最高800万円と設定していますが、すべての方が800万円満額まで借りられるわけではありません。個人の審査結果によって、10万円~800万円の限度額が設定されます。

カードローンの使い道・用途

基本的にカードローンには、資金使途の制限がありません。自動車ローンや住宅ローンは、各目的のために使用しなければならない制限がありますが、カードローンはそれらの目的に該当しない場合でも借りられます。

2022年に日本貸金業協会が実施した調査「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査結果報告」によると、借り入れの申し込みを行った個人は、借入申込を行った際の資金使途として次のような項目を挙げています。

  • 趣味・娯楽(レジャー、旅行を含む)
  • 食費
  • 外食等の遊興費
  • 家賃の支払い(住宅ローンの返済を除く)
  • 衣料費
  • 水道・光熱費
  • 納税・納付の支払い
  • 医療費
  • 自動車の購入費(車検整備費等を含む)

上記のように借入金の使途はさまざまで、特に多かったのは趣味・娯楽への資金でした。趣味や旅行などまとまった額のお金を必要としたときに、借り入れを申し込む方が多いといえるでしょう。ほかにも衣料費、食費、家賃の支払いなど衣食住に関わる支払いや、医療費、税金の納付などにも使われています。

カードローンを利用するメリット

カードローンを利用するメリットは、以下の4つが挙げられます。

  • コンビニや銀行のATMでいつでも借り入れ・返済できる
  • 借り入れまでにかかる時間が短い
  • 借り入れする目的が自由に決められる
  • 原則担保なし・保証人なしで借りられる

カードローンを利用すると、借り入れの際に銀行窓口まで足を運ばなくてもATMで現金が引き出せます。使い道が限定されてないので急な出費があった場合や、すぐにお金が必要なときにも臨機応変に使えて便利です。

コンビニや銀行のATMでいつでも借り入れ・返済できる

カードローンは、カードローン会社が提携しているコンビニや銀行のATMから、いつでも借り入れと返済ができます。サービスによってはスマートフォンから借り入れを申し込み、自分の口座へ現金を振り込むことも可能です。
返済も借り入れ時と同様に、銀行窓口まで出向く必要はなく、スマートフォンやATMから簡単に手続きできます。

借り入れまでにかかる時間が短い

カードローンは、キャッシングやその他のローンと比べて審査時間が短いため、借り入れまでにかかる時間も短い点が特徴です。クレジットカードのキャッシング利用枠を申し込む場合や銀行のフリーローンなどでは、利用できるまでに2週間程度時間がかかるケースもあるようです。しかし、カードローンなら最短30~60分ほどで審査が完了し、即日融資を受けられることもあります。あまり時間に余裕がなく、できるだけ早くお金が必要な場合に便利です。

借り入れする目的が自由に決められる

カードローンは借り入れの目的が限定されていません。必要なものに自由に使えるため、汎用性が高いことがメリットです。ただし、原則資金使途が自由とはいえ常識の範囲内での使用が推奨されています。

例えば、他社への返済目的や、ギャンブル・投資などの資金として借りるのはおすすめできません。契約時に借り入れの目的を聞かれるケースもあり、理由によっては融資が受けられないこともあるため注意しましょう。

原則担保なし・保証人なしで借り入れできる

カードローンは、原則担保も保証人もなしで契約できるため、保証人手続きが必要なく融資までがスムーズです。カードローンは個人の信用をもとにお金を借りられるサービスであり、申込者本人の収入、勤務先や雇用形態などで判断されます。カード発行のない商品を選べば郵便物が送られてくることもないため、家族にカードローンの契約を知られずに利用することもできます。

カードローン申し込みの流れは?必要書類と審査について

カードローンは申し込み方法がわかりやすいものが多いのが特徴です。
申込書を郵送するなどの複雑な手続きは必要なく、WEBページから申し込みできる商品もたくさんあります。ここでは、一般的なカードローン申し込みの流れを説明します。

カードローン申し込みの流れ

  1. WEBページから申し込み
  2. 必要書類の提出
  3. 審査
  4. 契約内容の確認と同意
  5. 利用開始

1.申し込み

WEBページから申し込みをします。スマートフォンなどからインターネットを利用すれば24時間、365日いつでも申し込みが可能です。
申し込みの際に必要な情報は次の通り(一例)です。

  • 名前
  • 生年月日
  • 性別
  • 最終学歴
  • 健康保険証の種類
  • 住所
  • 電話番号
  • 居住年数
  • 家賃または住宅ローンの月額
  • 年収
  • 勤務先
  • 他社からの借入状況

この情報をもとに審査が行われるので、正確な情報を申告しましょう。
※カードローン会社によって違いがあるので、お申し込みの際にご確認ください。

2.必要書類の提出

申し込みが完了したら、本人確認書類、収入証明書類を提出します。必要書類は、パソコンやスマートフォンから画像をアップロードで提出可能なカードローン会社も多く、郵送する手間はかかりません。

【本人確認書類(一例)】

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • 健康保険証
  • パスポート
  • 住民票
  • 在留カードまたは特別永住者証明書(氏名・生年月日・性別・居住地が記載されている箇所)

【収入証明書類(一例)】

  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 課税証明書

3.審査

申し込み完了後、各事業者が借り入れと返済に関わる審査を行います。
申込条件に合致しているか、借りたお金を返せる返済能力があるのかなどを中心に審査が行われます。また、総量規制というルールに基づき、借入金額が「年収の3分の1以下」であるかもチェックします。年収の3分の1を超える金額は、勤務先や返済能力などに関わらず借り入れできません。過去に支払い遅延があったり、すでに高額の借り入れがあったりする場合は審査に通らないこともあります。
審査結果は、Eメールまたは電話で通知されます。

どのカードローン会社を利用する場合にも必ず審査があります。無審査のカードローンは違法な金融業者が行っているものであることを覚えておいてください。

4.契約内容の確認と同意

審査で承認された内容を確認し、契約内容の同意手続きを行います。

5.利用開始

入会手続きが完了したら、すぐにカードローンを利用できます。近くのコンビニや銀行のATMから現金での借り入れが可能です。また、現在はATMへ出向かなくても、パソコンやスマートフォンから簡単に24時間365日振込手続きができるサービスが増えています。

カードローン利用時の注意点

カードローンを利用するときは、借り入れできる金額の上限を確認しておきましょう。契約時に決まる限度額によっては、希望の借入額すべてを借りられるとは限りません。返済時は借り入れした金額だけを返せばよいわけではなく、利息がプラスされた金額を支払う必要があります。

あとで返済に困らないように、実際に借り入れを行う前にカードローンの注意点を知っておきましょう。

借入できる金額は人によって異なる

カードローンの限度額とは、個人が借り入れできる最高金額のことです。各カードローンには、定められた貸付可能な上限金額があります。例えば「ORIX MONEY(オリックスマネー)」の上限金額は最高800万円ですが、これは申込者全員が800万円まで借りられることを示すものではありません。

800万円までの範囲内で、個人の返済能力から借り入れの限度額が決定します。

このほか、貸金事業者は貸金業法により「年収の3分の1」を超える貸し付けが禁止されています。

例えば、年収600万円の方の場合、600万円の3分の1にあたる200万円が個人で借り入れできる上限額となります。
※銀行系のカードローンは、貸金業法が適用にならず銀行法が適用されるため、借入額の上限が「年収の3分の1以下」といった規制はありませんが、返済能力を考慮するため、おおよそ3分の1以下になるケースが多いでしょう。

借り入れ後は「借入金額+利息」を返済する

利息とは、借り入れた金額に対する使用料です。カードローンでお金を借りた場合は、返済時に借入金額に利息を加算した額を支払います。金利の下限と上限はサービスによって異なるので、事前にチェックしておきましょう。

例えば、金利18.0%で10万円を30日間借りたとき、元金10万円に対し1,479円の利息が発生します。つまり、10万円に1,479円を上乗せして払う必要があります。借りる金額が大きくなったり、借入期間が長くなったりすると利息が増えることを覚えておいてください。

【計算式】
借入金額×金利(実質年率)÷365日×30日
100,000円×18.0%÷365日×30日=約1,479円

安心してカードローンを利用するには

カードローンで借り入れをする前に、必ず次の2点を行いましょう。

  • 返済方法を確認する
  • 返済計画を立てる

カードローンは借りるまでのスムーズさも大切ですが、毎月返済することを考えると返済のしやすさもチェックしておくべきです。また、すぐにお金が必要だからといって、無計画に限度額いっぱいまで借りてしまうことがないように注意してください。カードローンは高額を長期間借りるほど、利息の総支払額が高くなります。返済できる範囲内で必要な分だけ借り入れしましょう。

返済方法を確認する

返済方法は、カードローン会社によって異なります。自分にとって返済しやすいものがあるかを確認して選びましょう。

カードローン会社、サービスにもよりますが、返済方法は以下3通りから選べることが多いです。

  • 登録口座からの引き落とし
  • ATM返済
  • インターネット返済

登録口座からの引き落としは、残高があれば自動で振替になるため、自分で振り込む手間がなく便利です。振替日も毎月10日、20日、末日などの選択肢から選べる場合があります。ATM返済は、銀行やコンビニエンスストアのATMから返済できる方法です。提携のコンビニエンスストアなら手数料が無料になるケースもあるので、利用しやすいATMとの提携があるかもチェックするとよいでしょう。
インターネット返済は、インターネットバンキングを利用した返済方法で、スマートフォンやパソコンからの操作だけで返済できます。土日祝日などの休業日や時間に制限なく手続きできる点がメリットです。
返済方法は、給料日やライフスタイルに合わせて自分に合ったものを選ぶと便利です。

返済計画を立てる

カードローンで借り入れをする前に、返済計画を立てることが重要です。各カードローン会社の返済シミュレーションを活用し、利息や返済総額、毎月の返済額、返済回数を調べておきましょう。契約までは自分の金利がわからないので、もしサービスの上限金利に設定された場合でも返済できるのかを検討しておいてください。カードローンを安心して利用するためには、いつまでにいくら返済していくのか、あらかじめ計画を立てることが大切です。

返済の計画を立てないまま借り入れをすると、返済トラブルにつながる可能性が高くなります。無理な金額を借りてしまい万が一滞納した場合には、 カードローンの利用が停止されます。滞納によって本人の信用情報に傷がつくと、ほかのローンの審査に通りにくくなるなどの影響が出るため、安定して返済ができる額を借りることおよび計画的な利用が重要です。

まとめ

カードローンとは、貸金事業者が提供する個人向け融資サービスのことです。カードローンは原則、使い道に制限がなく、娯楽費や食費などに使用されているケースが多く見られます。旅行や資格取得、冠婚葬祭、急な家電の買い替えなどさまざまな用途に使えるので、お金が必要なときには検討してみてください。

安心して利用するためのポイントは、返済計画を立て、無理のない範囲で返せるかどうか確認しておくことです。無計画に借りてしまうことのないように、事前に注意事項をチェックしておきましょう。

よくある質問

カードローンとは何ですか?

貸金事業者が提供する個人向け融資サービスのことです。コンビニや銀行のATMなどで現金を引き出したり、インターネットから自分の口座へ振込依頼したりすることで借り入れが可能です。返済時には借入金+利息を上乗せして支払うことを知っておきましょう。

カードローンとクレジットカードのキャッシングの違いは何ですか?

クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードに付帯した借入機能です。クレジットカード1枚でショッピングとキャッシング両方に使えるメリットがあります。しかし、借入限度額が低め、金利は高めに設定されています。カードローンは、借り入れのみに使用できるカードですが、クレジットカードのキャッシングに比べると限度額が高めで、金利も低めの設定です。

カードローンの審査に通らないことはありますか?

過去に滞納したことがある方や、すでに高額の借入金がある方は審査に通らないことがあります。また、審査では返済能力を判断するため、定職についていないなど安定した返済が困難だとされる場合には審査に通らない可能性もあります。

カードローンのメリットは何ですか?

使い道に制限がない、借り入れまでにかかる時間が短い、原則保証人や担保なしで借りられることがメリットです。用途を自由に決められるのでさまざまな場面に利用できます。銀行系のフリーローンなどに比べると審査の時間が短いため、即日融資にも対応しています。原則担保なし・保証人なしで借りられるので、保証人手続きが必要なく融資までがスムーズです。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
スマホで借りて、スマホで返す ORIX MONEY