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ローンとは?仕組みや種類、借金との違いをわかりやすく解説

ローンとは?仕組みや種類、借金との違いをわかりやすく解説

ローンとは、一般的には金融機関からお金を借り、毎月少しずつ返済する仕組みの商品のことです。高額の買い物などでまとまった金額を用意できないときに便利ですが、返済の際に利息が発生するため、計画的に利用する必要があります。

本記事では、個人向けローンの仕組みや種類を解説しています。選び方や安心して利用するためのポイントも紹介しているので、初めてローンの契約を検討している方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  1. ローンの仕組み
  2. ローンの種類と選び方
  3. ローンを利用するために抑えておきたいポイント

ローンとは

ローンとは「何かを貸す」という意味の言葉で、一般的には金融機関からお金を借り、毎月少しずつ返済する仕組みの商品を指します。車や住宅といった高額の買い物や、急な出費が発生した場合など、一度にお金を用意するのが難しいときに便利な商品です。

ローンの特徴

ローンには以下の特徴があります。利用するうえで重要なポイントとなるため、事前に確認しておきましょう。

ローンの特徴

  • 借入額を複数回に分けて少しずつ返済する
  • 利息が発生する
  • 利用前に審査を受ける

借入額を複数回に分けて少しずつ返済する

ローンでは、毎月の返済日に決められた金額を少しずつ返済します。返済は借入金を完済するまで続き、少額なら数カ月で完済できますが、高額の借り入れでは数十年ほどかかる場合もあるでしょう。

毎月の返済金額は、借入額や借入期間によって決まります。金融機関によっては、返済方式などの選択が可能です。

返済方式とは?
毎月の返済金額を決定するための手段です。大きく分けて、毎月の返済額を一定にする「元利均等返済」と、毎月の返済額のうち元金を一定にする「元金均等返済」の2種類があります。

利息が発生する

ローンを利用する場合、借入金の返済時に利息を支払う必要があります。利息とは、借り入れに対する「利用料」にあたるものです。利息は借入金額・金利・借入日数によって決まり、以下の計算式で求められます。

利息の計算式

  • 利息=借入金額×金利÷365×借入日数

ローン利用時に支払う利息は、金利・借入日数・返済方式等により異なります。できるだけ金利の低い商品を検討するほか、借入日数が少なくなるように返済ペースを調整するなど、契約時の返済方式にも留意しましょう。

利用前に審査を受ける

ローンを利用するには、申し込んだ金融機関による審査を通過する必要があります。審査の目的は本人に十分な返済能力があるかを判断することで、個人の場合はおもに以下の内容が確認されます。

審査で確認される内容の例

  • 年収
  • 勤め先
  • 勤続年数
  • 家族構成
  • 現在・過去の借入状況
  • 遅延・滞納の有無などの返済履歴

など
※金融機関によって異なる場合があります。

審査は借りられる金額にも影響があります。利用限度額は無理なく返済できると金融機関に判断された金額が設定され、希望通りの金額が借りられるとは限らないため注意が必要です。

ローンと借金の違い

ローンと借金は、貸主の立場か、借主の立場か、という違いがあります。ローンは「貸付、貸付金」を指しますが、借金は「金銭を借りること、また借りた金銭」を指します。

ローンや借金と聞くとマイナスイメージが浮かぶかもしれませんが、必要なものを得るために資金を調達したり、急な出費に対応したりするのに役立つ便利な仕組みです。返済計画をしっかりと立て、賢く利用しましょう。

ローンの種類

個人向けローンは大きく分けて以下の3種類に分類できます。

  • 資金使途が限定された目的別ローン
  • 資金使途の限定されていない自由型ローン
  • 借り換え・おまとめローン

資金使途が限定された目的別ローン

目的別は、特定の高額商品やサービスの購入など、資金使途が限定されたローンのことです。

代表的な目的別ローンの例
目的別ローンの種類 資金使途
住宅ローン 家の購入・リフォームなど
マイカーローン 車の購入・車検・修理・免許取得など
教育ローン 入学金・授業料・受験費用など
医療ローン 病院での治療・入院・検査・出産など

目的別ローンは一括での支払いが難しい事柄に対するものが多く、比較的高額の借り入れができます。自由型ローンより金利が低い傾向があるため、資金使途が決まっている場合は目的別ローンの利用がおすすめです。

ただし、目的別ローンは審査や手続きに時間がかかる場合が多く、すぐに現金が必要な場合には適していません。ローンによっては金利が低い代わりに物的担保や保証人が必要なものもあり、人によっては利用が難しい場合もあります。

資金使途の限定されていない自由型ローン

自由型ローンは、借りたお金の使い道が限定されていないローンです。使い勝手はいいですが、目的別ローンよりも金利が高い傾向があります。

自由型ローンの代表例は、カードローンとフリーローンが挙げられます。それぞれの違いは以下の通りです。

カードローンとフリーローンの違い
カードローン フリーローン
商品提供元 銀行・信用金庫・信販会社・
クレジットカード会社・消費者金融
銀行(一部信販会社や
クレジットカード会社・消費者金融)
借入回数 利用限度額までなら何度でも可 1回
金利 1.5~18.0% 2.0~15.0%
審査 審査は1回であることが多い 仮審査と本審査があることが多い
融資までにかかる時間 最短即日 約2週間
返済期間 フリーローンより返済期間が
長い傾向がある
カードローンより返済期間が
短い傾向がある
返済方法 登録口座からの引き落とし
またはATM・インターネット返済
登録口座から引き落とし
申込条件 専業主婦・主夫も申し込み可能な場合がある 最低年収が設けられている場合がある
担保 無担保 有担保の場合もある

※金融機関やローンにより内容は異なります。

カードローンは融資までのスピードが早く、利用限度額内であれば何回でも借り入れができるため、急な出費や生活費などの借り入れに適しています。

フリーローンはカードローンより融資に時間がかかりますが、金利が低い傾向があります。また、追加の借り入れができないため借入残高が増えることがなく、返済計画の管理がしやすい点もメリットです。

それぞれ特徴が異なるので、自分に合うものを選びましょう。

おまとめローン

おまとめローンは複数社から1社にローンをまとめて乗り換えるための商品です。おまとめローンでお金を借り、現在のローンをすべて返済することで乗り換えます。金利は借入金額が多い方が低くなる傾向があり、複数社のローンの借入金額をひとまとめにすることで、金利を下げられる可能性があります。

なお、現在契約しているカードローンから他の会社のカードローンに乗り換えることを「借り換え」と言います。おまとめローンとは乗り換え前のローンの数が異なりますが、金利を抑えるための乗り換えという点は同じです。

ローンの賢い選び方

ローンは商品によって特徴が異なります。以下のポイントを考慮して、自分に合うローンを賢く選びましょう。

ローン選びのポイント

  • 目的
  • 金利
  • 融資スピード

目的

住宅や車の購入など、明確な目的がある場合は目的別ローンがおすすめです。目的別ローンは自由型ローンより金利が低い傾向があり、利息の負担を抑えられます。さまざまな目的別ローンがあるので、自分の資金使途に合うものを探してみましょう。

目的にあうローンがない場合は自由型ローンを検討してみましょう。目的別ローンの代わりなら比較的金利が低いフリーローン、急な出費や生活費の借り入れには融資が早く、繰り返し借り入れができるカードローンがおすすめです。フリーローンとカードローンは、利便性と金利のバランスを考慮して選びましょう。

金利

同じ種類のローンでも、商品によって金利が異なります。総支払額に影響が出るため、金利はなるべく低いものを選びましょう。特に高額の借り入れや返済が長期間に渡る場合は金利の影響が大きくなるため、重要なポイントです。

ローンの具体的な金利は設定される利用限度額や審査内容から決まりますが、一般的に初回の借り入れは最も高い金利が適用される傾向があります。ローンの金利を比較する際は、上限金利に着目しましょう。

融資スピード

比較的早くお金を借りたい場合は、審査にかかる時間が短いカードローンが適しています。ただし、カードローンによって、最短でいつ融資が受けられるかは異なるため、申し込む前に確認しておきましょう。早いもので最短即日、時間がかかるものは1週間ほど要する場合があります。

目的別ローンやフリーローンは審査や手続きに時間がかかるため、数週間~1カ月程度余裕をもって申し込みましょう。

ローンを安心して利用するためのポイント

ローンを安心して利用するため、以下のポイントに注意しましょう。

ローンを安心して利用するためのポイント

  • 契約内容を正しく理解する
  • 返済計画を立てる

契約内容を正しく理解する

ローンを利用する際は、金利・返済期間・利息を含めた総返済額などの契約内容を正しく理解しましょう。契約内容を理解せず利用すると、「想定より総支払額が高くなる」「返済日までにお金を用意できない」などのトラブルに繋がる恐れがあります。

万が一返済が遅れた場合は、遅延損害金が発生して総支払額が増えてしまいます。また、信用情報にも傷がついてしまい、新しいローンやクレジットカードの審査が通りにくくなる可能性もあるため注意しましょう。

返済計画を立てる

返済を遅らせないためにも、ローンを申し込む前に返済計画を立てましょう。事前に返済の見通しが分かれば、焦ることなく安心してローンを利用できます。返済計画を立てる際、具体的な金利は契約するまで分からないため、必ず返済できるように最も高い金利を想定しておきましょう。

ローンを取り扱う会社や銀行の公式サイトでは、返済シミュレーションが用意されています。返済総額や毎月の返済金額、完済までの期間などを知ることができるため、返済計画を立てる際にはぜひ活用してみてください。

よくある質問

ローンとは何ですか?

ローンとは「何かを貸す」という意味の言葉で、一般的には金融機関からお金を借り、毎月少しずつ返済する仕組みの商品を指します。

ローンとクレジットの違いは何ですか?

ローンは金融機関からお金を借り、毎月少しずつ返済する仕組みの商品、クレジットは買い物などの代金を後払いできる商品です。

利用限度額などに差があり、現金が必要な場合や高額の買い物はローン、少額の買い物にはクレジットが適しています。

ローンと借金の違いはありますか?

ローンと借金は、貸主の立場か、借主の立場か、という違いがあります。ローンは「貸付、貸付金」を指しますが、借金は「金銭を借りること、また借りた金銭」を指します。

ローンではいくらまで借りられますか?

最高利用限度額はローンの種類によって異なり、実際に借りられる利用限度額は審査によって決まります。

利用限度額は収入や信用情報などから、無理なく返済できると判断された金額が設定されます。

小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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