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カードローンとフリーローンを比較!審査や金利の違い、借り換え方法を解説

カードローンとフリーローンを比較!審査や金利の違い、借り換え方法を解説

お金が必要になったとき、お金を借りる方法として「カードローン」や「フリーローン」などが挙げられます。カードローンとフリーローンには、審査や金利、借入回数などいくつかの違いがあります。それぞれの特徴を把握したうえで、ご自身の資金使途に合ったローンに申し込むのがよいでしょう。

当記事では、カードローンとフリーローン、それぞれの違いや上手な使い分け方を紹介しています。カードローンやフリーローンについて理解したい方、自分がどちらに申し込むべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  1. カードローンとフリーローンの違い
  2. カードローンとフリーローンの使い分け方
  3. カードローンやフリーローンの借り換えができるか

カードローンとは

カードローンとは銀行や消費者金融が提供する個人向けの融資商品のことです。コンビニや銀行のATMで現金を引き出したり、インターネットから自分の口座への振り込みを依頼したりすることで、利用限度額まで何回でも借り入れが可能です。

カードローンの使い道は限定されておらず、借りたお金は基本的に自由に使えます。金融機関によっては、ほかの融資商品の返済に充てる目的でカードローンを契約することを禁止している場合もあります。

フリーローンとは

フリーローンとは、おもに銀行が取り扱っている個人ローンです。銀行のローンには「住宅ローン」や「自動車ローン」など、資金使途が決まっている「目的ローン」があります。一方フリーローンは、借入金の使い道が定まっていない自由なものとして「フリーローン」と呼ばれます。

フリーローンは、事業やギャンブル以外の資金使途であれば基本的に使い道は自由です。申し込みは口座を持っていなくてもできるものの、契約時に口座の作成が必要となる場合があります。借入回数は、申し込みごとに1回までです。契約時に金利や返済期間、毎月の返済額などが決められ、計画に沿って返済していきます。

カードローンとフリーローンの違い

カードローンとフリーローンはいずれもお金を借りる商品ですが、以下のような違いがあります。

カードローン フリーローン
商品提供元 銀行・信用金庫・信販会社・クレジットカード会社・消費者金融 銀行(一部信販会社やクレジットカード会社・消費者金融)
借入回数 利用限度額までなら何度でも可 1回
金利 1.5~18.0% 2.0~15.0%
審査 審査は1回であることが多い 仮審査と本審査があることが多い
融資までにかかる時間 最短即日 約2週間
返済期間 フリーローンより返済期間が長い傾向がある カードローンより返済期間が短い傾向がある
返済方法 登録口座からの引き落としまたはATM・インターネット返済 登録口座から引き落とし
申込条件 専業主婦・主夫も申し込み可能な場合がある 最低年収が設けられている場合がある

※会社によって異なる場合があります。

商品の提供元

カードローンは銀行や信販会社・消費者金融などが取り扱っている商品です。フリーローンはおもに銀行が取り扱っており、一部信販会社やクレジットカード会社でも提供されています。

借入回数

カードローンは利用限度額まで何回でも借りられます。上限に達しても返済すればその分借りられる仕組みです。

例えば利用限度額が100万円の場合、1万円を100回借りることも、100万円を1回借りることもできます。利用限度額いっぱいの100万円を借りたとしても、30万円を返済すれば30万円の枠が空いて、ふたたび利用限度額まで借りられます。利用限度額内で借り入れする場合は、基本的に追加の審査は必要ありません。

フリーローンは借入回数が1回と決められています。追加で借り入れをしたい場合は、審査や手続きが必要です。フリーローンを借りた後は毎月返済していくことになります。フリーローンは1回借り入れした後、事前に建てた返済計画に沿って返していくのみです。

金利

カードローンとフリーローン、それぞれの金利の目安は以下のとおりです。金融機関や借入金額によっても金利は変わってきますが、フリーローンのほうがカードローンよりも低めに設定されていることが多いです。

カードローン 1.5~18.0%
フリーローン 2.0~15.0%

審査

カードローンもフリーローンも、融資を受けるためには審査が必要です。

【審査で確認されるポイント(例)】
  • 年齢や安定した収入といった申し込みが可能となる条件を満たしているか
  • 申込者の勤務先や雇用形態といった属性
  • 他社で既にローンを利用しているか
  • 過去の金融機関との取引履歴(延滞や債務履行など)

フリーローンは銀行によっては具体的な収入額(年収200万円以上など)が指定されていることもあり、年収について入念に確認するところもあります。フリーローン・カードローンを契約する際に提示を求められる内容は以下のとおりです。金融機関や借り入れ金額によって異なる場合がありますので、契約の際に確認しましょう。

  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 収入証明書(源泉徴収票や確定申告書など)

フリーローンでは仮審査と本審査が以下のように行われることが多く、申し込みから借り入れまで時間がかかる傾向があります。

仮審査は、おもに申込金融機関内で確認する審査です。申し込み内容を確認し、対象者の信頼性や貸付できる金額を判断します。仮審査を通過すると本審査に進みます。

本審査は申込者本人や勤務先に電話で在籍確認をしたり、申込内容や提出書類の内容を申込者に問い合わせたり、申告内容の正当性を確認する審査です。本審査に通過したら契約に進めます。店舗に出向かなくても、WEBで契約を完結できる銀行や消費者金融もあります。

融資までにかかる時間

カードローンは申し込みから融資までの時間が短い傾向があります。審査が数十分で終わり、即日で融資を受けられるカードローンもあります。早く融資を受けたい方にはカードローンがおすすめです。1度契約すれば、利用限度額までは再審査の必要がなく、借り入れのたびに審査で時間を取られることがありません。

フリーローンは融資までの時間が長い傾向があります。急いで融資を受けたい方は、フリーローン以外を検討したほうがいいでしょう。借り入れするたびに審査が必要で、1度審査を通過して契約したとしても2回目以降の審査が短くなるということはありません。

返済期間

カードローンは、フリーローンと比べて返済期間が長い傾向があります。金融機関や契約内容によって上限は変わりますが、最長の返済期間が15~17年で指定されているところもあります。

フリーローンの返済期間は、カードローンと比べて短いケースが多いです。8年~10年で指定されているところがよく見受けられます。

返済方式

カードローンは契約する際に毎月の返済額を決め、指定された日に返済していきます。事前にシミュレーションなどして返済の計画を立てることが可能です。

しかし、カードローンは利用限度額内であれば、繰り返し融資を受けられます。完済する前に追加で借り入れをすると返済額が変動するため、返済額の管理がやや複雑になります。返済が進んでいない段階で追加の借り入れをする場合は、慎重に行いましょう。

フリーローンも毎月返済するところは、カードローンと変わりません。ただしフリーローンは、契約時に返済額や利息が明確になっています。計画に沿って返すだけなので、カードローンと比べると返済までの金額がわかりやすいのが特徴です。

申込が可能となる条件

カードローンやフリーローンの申込が可能となる条件は、金融機関によって異なります。 カードローンの申込が可能となる条件は以下のパターンが多いです。

  1. 日本国内に居住
  2. 年齢満20歳以上69歳まで
  3. 毎月定期収入がある

条件に安定した収入があることが含まれているケースが多いですが、専業主婦・主夫の方が自分名義で借りられるものもあります。

フリーローンもカードローンと同様、以下の条件であることが多いです。

  1. 日本国内に居住
  2. 年齢満20歳以上69歳まで
  3. 安定した収入がある

フリーローンの場合、収入について「年収が200万円以上」などと設定されているところもあります。借りる前に申し込みの条件を確認しましょう。

カードローンとフリーローンの上手な使い分け方

「カードローンとフリーローンどちらに申し込むべきか」は資金使途やニーズによって異なります。ここでは、カードローンとフリーローンそれぞれが適するシーンを解説します。

カードローンがおすすめの場合

カードローンは、以下のような方におすすめです。

  • すぐに借り入れしたい
  • 手数料を抑えたい
  • 今後必要に応じて繰り返し借り入れしたい

フリーローンは契約時の事務手数料がかかる場合もありますが、カードローンは契約時の手数料がかかりません。ただし、コンビニで借り入れ・返済する場合はATMの手数料がかかる場合があります。

カードローンはフリーローンに比べて融資までの手続き時間が短い傾向があります。またカードローンは利用限度額まで何回でも借りられるため、手間なく現金が必要な場面では、カードローンがおすすめです。

利用シーンとしては、以下のような場面が考えられます。

  • 突然の冠婚葬祭
  • 急な病気やケガ、事故など
  • 旅行
  • 資格取得、教材購入、スクール受講(自己啓発資金として)

フリーローンがおすすめの場合

フリーローンは、以下のような方におすすめです。

  • 金利を抑えたい
  • お金が必要になるまでに時間の余裕がある
  • 返済の管理を簡単にしたい

カードローンと比べて、フリーローンは金利が低めに設定されていることが多いため、金利を抑えたい方はフリーローンがおすすめです。

カードローンが利用限度額以内であれば複数回借り入れできるのに対し、フリーローンは1回の契約につき1回のみ借り入れができます。多くのカードローンは追加で借り入れると、その借り入れ後の残高に応じて、毎月のご返済額が決まるので、複数回の借り入れで返済額が増える可能性があるカードローンとは違い、フリーローンは契約から完済までの計画が立てられて返済額が変動することがありません。そのため、お金の管理が苦手な方にはフリーローンが向いているといえるでしょう。

フリーローンの利用シーンとしては、例えば以下のような場面が考えられます。

  • 自動車を購入するとき
  • 住替え、引っ越し費用
  • ハネムーン、新婚旅行
  • 資金使途が既に決まっている

カードローンやフリーローンの借り換えはできる?

ローンの返済が負担になったときは、フリーローンやほかのカードローンへの借り換えができます。
借り換えとは、別のローンを契約して、新しく借りたお金で既に契約していたローンを一括返済することです。カードローンからフリーローンに借り換えしたり、金利の低いカードローンに借り換えしたりすることで、返済額を減らすことが可能です。

例えば、以下の金利を設定している消費者金融のカードローンと銀行のフリーローンの違いを見てみましょう。

▼借り換えの一例 ※返済期間24か月の場合(元利均等)
カードローン フリーローン
借入額 50万円 50万円
金利 18% 13%
利息(返済までの総額) 99,088円 70,504円
月の返済額 24,962円 23,771円
総返済額 599,088円 570,504円

※実際の返済額は各社の条件により異なります。

以上の例のカードローンで予定どおり返済を進めた場合、フリーローンよりも総返済額が約3万円多くなることがわかります。借入額が大きいほど利息も多くなるので、借り換えのメリットをより得られるでしょう。

借り換えの注意点としては、以下の2点があげられます。

  • 借り入れの際に審査が必要になる
  • 毎月の返済額が増える可能性がある

借り入れの際に審査が必要になる

借り入れるときは新しくローンに申し込むため、再度審査が必要です。審査の基準は金融機関ごとに異なります。過去の返済履歴に問題がある場合や、年収が下がっている場合は審査を通過できず、借り換えができない場合もあるので注意しましょう。

毎月の返済額が増える可能性がある

金融機関によって返済額の設定が異なるため、総返済額を抑えられても月あたりの返済額が増える可能性があります。

毎月の返済額を減らしたいために月あたりの返済額を少なく設定すると、返済期間が延びる傾向にあります。カードローンの利息は、返済期間が延びたことに伴って増加し、最終的には総返済額が借り換え前より高くなる可能性もあります。

借り換えを行う際は、月々の返済額を減らしたいのか総返済額を減らしたいのか、目的にあわせて借り換え先を選びましょう。

まとめ

カードローンとフリーローンの違いをご紹介しました。

カードローンは早く融資を受けやすく、利用限度額内であれば何回でも借り入れができます。フリーローンは借入できる回数は1回ですが、返済の管理がしやすいため、お金の管理が苦手な方に向いています。

資金使途や金額を踏まえ、無理のない返済スケジュールを組めるようにすることが大切です。条件やご自身の状況にあわせて、適切に選びましょう。

よくある質問

フリーローンとは何ですか?

フリーローンとは、おもに銀行が取り扱っている個人ローンです。一般的に事業や投資以外の資金使途であれば、自由に使うことができます。

カードローンとフリーローンの違いは何ですか?

カードローンは利用限度額内であれば何回でも借り入れができますが、フリーローンは1回のみ借り入れができます。カードローンは融資までの時間が短い傾向があり、最短で即日から契約できる金融機関もありますが、フリーローンは融資までに時間がかかりやすい傾向があります。

カードローンとフリーローンでは、審査に違いがありますか?

カードローンは基本的に審査が1回のみで、利用限度額内であれば、2回目以降の借り入れに審査は必要ありません。フリーローンは仮審査と本審査が行われるケースが多く、2回目以降の契約においても審査が必要になります。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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