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借入残高や確認方法を解説!残高を計画的に減らすポイント

借入残高や確認方法を解説!残高を計画的に減らすポイント

借入残高とは、金融機関や貸金業者から借り入れした金額のうち未返済分の金額です。借入残高は返済や追加の借り入れで増減するため、残りがいくらか分からなくなる場合があります。利息や返済期間にもかかわってくるため、計画的に返済を進めるには借入残高を把握することが大切です。

当記事では、借入残高について詳しく解説しています。借入残高の確認方法や、計画的に返済するためのポイントも紹介していますので、カードローンなどで借り入れをしている方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  1. 借入残高の意味
  2. 借入残高の確認方法
  3. 借入残高を減らすためのポイント

借入残高とは

借入残高とは、金融機関や貸金業者から借り入れした金額のうち未返済分の金額です。例えば利息を考慮しない場合、カードローンで30万円借り入れして10万円を返済すると、借入残高は20万円となります。

借入残高は返済金額や追加の借入金額によって増減するので、把握していないと計画的な返済は困難です。定期的に現在の借入残高を確認するようにしましょう。

なお、借入残高は金融機関や貸金業者によって呼び方が変わり、「利用残高」や融資する側からの視点で「貸付残高」と表現することもあります。担保なしで借り入れしている場合は「無担保借入残高」、担保有りでは「有担保借入残高」ともいいます。

借入残高に利息は含まない

一般的に金融機関や貸金業者からの借り入れでは、返済時に利息を加えた金額を支払います。借入残高は借入金の元本のみを表し、借入残高の算出に利息分は含まれません。

例えば、借入残高40万円の状態で毎月の返済により2万円支払ったとします。2万円のうちの利息が5千円だった場合、借入返済に充当された金額は1.5万円で、返済後の借入残高は38.5万円です。

利息は、借入残高が多く、金利が高く、借入期間が長いほど多くなります。利息を含めた返済総額を把握しておきましょう。

借入残高は信用情報機関に登録される

信用情報機関とは、消費者の支払能力に応じた適切な契約が締結されることなどのため、消費者のクレジットやローン利用に関する信用情報の収集・管理をしたり、加盟会社に対して信用情報の提供をしたりする機関です。借入残高も信用情報として信用情報機関に登録されており、審査の際にチェックされるため、残高が多いと新たなローンやクレジットカードの審査に通りづらくなる可能性があります。

借入残高などの信用情報は完済から5年以内は保有され続けます。延滞などのトラブルに関しても記録や情報提供が行われるため、毎月確実に返済できるよう注意しましょう。

借入残高の確認方法

借入残高は、一般的に以下の方法で確認できます。

借入残高の確認方法
  • 会員サイトやアプリ
  • コンビニや銀行のATM
  • コールセンターへの電話
  • インターネットバンキング

会員専用サイトやアプリ

多くのカードローンでは、会員専用サイトや専用アプリで借入残高が確認できます。気軽に、24時間365日いつでも確認できるので、利用してみましょう。

コンビニや銀行のATM

カードローン会社の支店やコンビニに設置されたATMでも、借入残高の確認が可能です。

ATMによって操作は異なりますが、カードローンに関するメニューの「残高照会」などから借入残高の確認ができます。メニューに残高照会などがない場合は、ATMによる返済時などに発行される利用明細で確認しましょう。

コールセンターへの電話

スマホやパソコンの操作が苦手な方は、コールセンターに電話して借入残高を確認してみましょう。一般的には自動音声ガイダンスでの対応となり、24時間利用できます。問い合わせ用の電話番号は、公式サイトなどで確認が可能です。

電話で残高が確認できるのは原則本人のみです。問い合わせの際に本人確認として誕生日や住所などを聞かれる場合があります。

インターネットバンキング

利用しているカードローンと提携しているインターネットバンキングであれば、借入残高を確認できる場合があります。インターネットバンキングでは借入残高の照会以外に、返済や借り入れも可能です。利用する場合は口座の開設や設定が必要なので、事前に済ませておきましょう。

ローンなどの新規申込では借入残高の申告が必要

新規でローンやクレジットカードなどに申し込む際は、貸金業者からの借入残高を申告する必要があります。

借入残高の申告が必要な理由は、貸金業者が新規の貸し付けによって総量規制に抵触しないか確認するためです。なお、借入残高は信用情報機関に登録されているため、貸金業者は申告内容が正しいか確認できます。金額を間違えると虚偽の申告を疑われるため、申告時に正確な内容かよく確認しましょう。

総量規制とは?
借り手の年収の3分の1を超える貸し付けを禁止する取り決めです。総量規制はすべての貸金業者からの合計借入金額(※)が対象となります。

総量規制は貸金業法で定められており、対象は消費者金融・信販系の貸金業者です。銀行は貸金業者ではないため対象外ですが、無理のない返済として総量規制を目安にして貸し付けを行っている場合があります。

※貸金業者各社において合計借入総額を計算する場合、自社分は「利用限度額」、他社分は「貸付残高」として算出します。

借入残高に含まれないケース

以下のものなどは申告が不要な場合があります。

借入残高の申告が不要なケース
  • 有担保ローン
  • クレジットカードのショッピング枠利用分

住宅ローンやマイカーローンなどの有担保ローンの残高は「有担保借入残高」で、総量規制の対象とならず申告が不要な場合が多いです。

クレジットカードのショッピング枠の利用分は借入残高には含まれず、総量規制の対象にもなりません。ただし、クレジットカードのキャッシング枠による現金の借り入れは無担保借入残高に含まれます。

借入残高を計画的に減らす方法

ローンの返済を終わらせるには、借入残高を確実に減らすことが大切です。以下のポイントを押さえて、借入残高を計画的に減らしていきましょう。

借入残高を計画的に減らす方法
  • 定期的に借入残高を見て、元本返済が進んでいるか確認する
  • 繰り上げ返済(増額返済)を利用する
  • カードローンの借り入れを繰り返さない
  • 借り換えを検討する

定期的に借入残高を見て、元本返済が進んでいるかを確認する

借入残高を定期的にチェックし、元々借りた金額である「元本」の返済が進んでいるかを確認しましょう。返済金額の利息の割合が多いと、思っていたより元本返済の進みが悪く、返済計画の見直しが必要なケースがあります。

元本の返済が進んでいない場合は、毎月の返済額を無理のない範囲で増やしたり、返済予定期間を見直したりするなどの対策を行いましょう。

繰り上げ返済(増額返済)を利用する

繰り上げ返済(増額返済)とは、毎月決められた返済額とは別に、追加で返済する方法です。繰り上げ返済した金額はすべて元本の返済に充てられるため、早期返済の助けになります。ボーナスなどの臨時収入が入ったら利用を検討してみましょう。

ただし、早く返済を終わらせようと無理に繰り上げ返済をすると、翌月の返済滞納などにつながる可能性もあります。繰り上げ返済を利用する際は、慎重に計画を立てることが大切です。

約定返済日(毎月の返済日)以外に繰り上げ返済をした場合、単純に元本が減るか、翌月の返済分として扱われるかは返済日などによって変わる場合があります。借入先によっては会社のホームページにあるシミュレーターなどで確認できるため、チェックしておきましょう。オリックス・クレジットでは、「臨時返済シミュレーター」を利用することで確認が可能です。

カードローンの借り入れを繰り返さない

借入残高を減らすためにも、借り入れをできるかぎり繰り返さないようにしましょう。カードローンは借入可能額内であれば何度でも借り入れできるため、借り入れが癖になってしまう場合もあります。借り入れを繰り返すと、借入残高が把握しにくくなったり、返済が長期化したりするため注意が必要です。

日々の収支を管理して無駄な出費を減らし、カードローンの利用を必要最低限に留めましょう。

借り換えを検討する

借り換えとは、現在契約しているローンからほかの会社のローンに乗り換えることです。現在のローンより金利の低いローンに借り換えることで、支払利息を軽減できます。契約中のローンの金利が高いと感じている方は、借り換えを検討してみましょう。

ただし、借り換えには新しくカードローンなどを組む必要があるため、審査を受けて通過する必要があります。審査に通らなかった場合は借り換えができないため、ほかの方法を検討しましょう。

よくある質問

借入残高とは何ですか?

借入残高とは金融機関や貸金業者から借り入れした金額のうち未返済分の金額です。

借入残高をすべて返済すると完済になります。ただし、借入残高には利息は含まれないため、実際に支払う総支払金額は借入残高より利息の分多くなります。但し、当日返済や無利息期間中に返済すれば利息がかかりません。

借入残高と限度額(借入可能額)の違いは何ですか?

限度額(借入可能額)はカードローンなどで借り入れできる上限金額のことです。

限度額は利用者ごとに定められており、金額は申込時の希望や審査などで決定します。

借入残高がなかなか減りません。どうすればいいでしょうか?

繰り上げ返済などを利用しながら計画的に返済していきましょう。

繰り上げ返済では返済金額がすべて元本に充てられるため、効果的に借入残高を減らせます。ボーナスなどの臨時収入が入ったときに検討してみましょう。

無理なく計画的に返済するためにも、現在の借入残高や支払っている利息を把握することも重要です。もし利息が多く元本がなかなか減らない場合は、金利の低いカードローンへの借り換えも検討してみましょう。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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