カードローンの審査の内容や基準を解説|流れや通らない人の理由も

カードローンの審査の内容や基準を解説|流れや通らない人の理由も

カードローンの審査の内容や基準を解説|流れや通らない人の理由も

カードローンの審査では、申込者の信用情報や属性などが確認されます。申込者に返済能力が不足していると判断された場合は、カードローンの審査に通らないことがあります。

どのカードローンでも審査は必ず行われるため、審査で確認されるポイントを把握しておきましょう。

この記事でわかること
  1. カードローンの審査が行われる理由
  2. カードローンの審査の流れ
  3. カードローンの審査に通らない理由

カードローンの審査が必ず行われる理由

審査のないカードローンは存在しません。カードローンの審査は、融資を行う金融機関とカードローン利用者にとって重要な手続きです。ここでは、カードローンの審査が必ず行われる理由を説明します。

申込者の返済能力を判断するため

カードローンの審査では、申込者の返済能力が十分あり、完済できるかを判断しています。

返済能力が十分ではない方に融資すると、結果的に本人が多重債務に陥る恐れがあります。また、金融機関側にとっても貸し倒れの恐れがあり、お互いに不利益を被る可能性が高いでしょう。

カードローンの審査では申込者の返済能力を判断して、融資の可否を決めます。融資が決定した方には、申込者本人に適した借入可能額が設定されます。

法律により義務付けられているため

貸金業法では、貸金業者が契約者の返済能力を調査しなければならないと定められています。審査を行わないカードローンがあった場合は違法業者が行っている可能性があるため、利用を避けましょう。

借入額が総量規制に抵触しないかを確認するため

総量規制とは、貸金業者に対して契約者の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制で、貸金業法によって定められています。

例えば、年収300万円の申込者の場合、借り入れできる上限は総額100万円(※)です。

※貸金業者の判断によっては上限よりも低い借入可能額になる場合があります。

総量規制の対象となるのは、財務局または都道府県に登録のある貸金業者で、消費者金融やクレジットカード会社などが該当します。

銀行は貸金業者にはあたらず、それぞれ独自のカードローンの融資基準を設けています。ただし、総量規制はないものの、申込者の返済能力などを考慮して年収の3分の1以下の設定になるケースが多いです。

審査が甘いカードローンはある?

インターネットなどで、「審査の甘いカードローンがある」「銀行のカードローンより消費者金融のカードローンのほうが、審査に通りやすい」といった意見を見かけることがあるかもしれません。

しかし実際には、各金融機関が行う審査の基準や通過できる条件は、非公開とされています。そのため、審査が「甘い」「ゆるい」といった判断について正しい情報を得ることはできないと考えておきましょう。

カードローンの審査で確認される内容

カードローンの審査では、さまざまな内容を確認して本人の返済能力を判断します。中でも審査で重要視されるポイントは以下の2点です。

信用情報:ローンやクレジットカードの取引履歴

信用情報とは、各種ローンやクレジットカードの利用履歴など、個人の金融取引に関わる情報です。具体的には、以下のようなものがあります。

  • 他社での借入金額
  • 過去の借入状況
  • 申込履歴
  • 返済の延滞履歴 など

信用情報は信用情報機関に登録されており、金融機関は審査の申し込みを受けると確認できるようになります。そのため、申込者が申告した内容が正しいか判断することも可能です。

他社の借入がいくらあるか、延滞履歴はないかなど信用情報機関を通して確認し、融資できるかを判断します。延滞履歴がある場合、返済能力が不十分であると判断される可能性が高くなります。

属性:年齢や勤務先など申込者の情報

カードローンの審査では、年齢や勤務先など申込者の属性情報を確認されます。属性情報には以下のようなものがあります。

  • 年齢
  • 家族構成
  • 家族と同居しているか
  • 勤務形態
  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数 など

勤務形態は非正規雇用のパートやアルバイトより、正社員のほうが審査で有利になる可能性が高いです。収入がない専業主婦(主夫)の場合、申込条件に当てはまらず申し込めないこともあります。しかし、カードローンによっては世帯収入が十分にあれば申し込める場合もあるでしょう。

審査の流れ

一般的なカードローンの審査の流れを説明します。

  1. 申し込み
  2. 必要書類の提出
  3. 審査
  4. 在籍確認
  5. 入会手続き

1.申し込み

カードローンはインターネットから申し込むケースが多いです。申込フォームの流れに沿って必要事項を記入して送信します。入力ミスなどがあると審査に時間がかかるため、誤りのないように記入しましょう。

申し込みで記入する情報には、以下のようなものがあります。

  • 名前
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所
  • 電話番号
  • 希望の借入可能額
  • 職業
  • 年収
  • 他社借入 など

※会社によって異なります。

2.必要書類の提出

カードローンの申し込みでは、「本人確認書類」と「収入証明書類」の提出が必要です。

本人確認書類

本人確認書類は、申込者が本人であることを証明できる公的書類です。本人確認書類の例として、以下の書類があげられます。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • 健康保険証
  • パスポート
  • 住民票
  • 在留カード・特別永住者証明書

収入証明書類

収入証明書類は、申込者の年収を確認する書類です。収入証明書類の例として、以下の書類があげられます。

  • 源泉徴収票
  • 給与明細書・賞与明細書
  • 課税証明書・特別徴収税額の決定通知書
  • 確定申告書

低額の借り入れであれば、収入証明書類の提出が不要の場合もあります。

3.審査

申し込みで記入した内容や信用情報、提出した必要書類をもとに、審査が行われます。審査の時間は金融機関によってさまざまです。

審査結果はEメールまたは電話で来る場合が多いので、確認してください。

4.在籍確認

在籍確認とは、申込者が申告した職場に在籍しているか確認することです。審査の最終段階や審査承認後に、勤め先へ電話をして在籍確認が行われる場合があります。ただし、必ずしも在籍確認が行われるとは限りません。

プライバシーに十分配慮し、「カードローンの申し込みによる在籍確認である」とは明かさずに電話をするため、職場にカードローンのことを知られる可能性は低いでしょう。

5.入会手続き

WEB上で、契約内容の確認と契約に同意する手続きを行います。一般的なカードローン(カードあり)の場合は、入会手続き完了後にカードの郵送が行われます。

スマホ完結型のローンであれば、カード発行を待たずに利用が可能です。

審査に通らない理由

カードローンの審査に通らない理由は以下のようなものが考えられます。審査に通るか不安な方は参考にしてみてください。

審査に通らない理由(例)

  • 申込条件を満たしていない
  • 過去に支払いの延滞がある
  • 短期間で多くのローンに申し込んでいる
  • 借入希望額が総量規制の範囲を超えている
  • 借入希望額が返済能力を超えている
  • 誤った情報を申告している

申込条件を満たしていない

各金融機関では、カードローンの申込条件を設定しています。条件を満たしていない場合は審査に通らないため、条件を事前に確認するようにしてください。

例えば、以下のような条件が挙げられます。

  1. 日本国内に居住
  2. 年齢満20歳〜69歳
  3. 毎月定期収入がある

※会社によって異なります。

専業主婦(主夫)や無職も申し込み可としているカードローンもありますが、安定した世帯収入がない場合、返済能力が不十分であるとみなされて審査に通らない可能性があります。

過去に支払いの延滞がある

過去に支払いの延滞があり、信用情報に記録が残っていると審査に通らない傾向があります。

支払状況に関する情報は信用情報機関に登録されており、契約期間中および契約終了後5年間は保有されています。支払いの期限に遅れた履歴があるとカードローンの審査に通りにくくなるため、注意が必要です。

短期間で多くのローンに申し込んでいる

カードローンは申込履歴も信用情報機関に登録されており、金融機関は申込者の他社への申込状況を確認できます。同時に複数社への申し込みや、短期間で繰り返し申し込みを行うと「資金繰りに苦労している」と判断されて審査に通らない可能性があります。

借入希望額が総量規制の範囲を超えている

貸金業者の場合、年収の3分の1を超える貸し付けはできないため、必要以上に多額の借入を申し込むと審査に通らない可能性があります。

総量規制は、すべての貸金業者からの合計借入額(※)が規制の対象となるため注意してください。契約中のカードローンの借入可能額と、新たに申し込むカードローンの借入希望額の合計が総量規制を超えていないかを確認しましょう。

※貸金業者各社において借入総額を計算する場合、自社分は「利用可能枠(限度額)」、他社分は「貸付残高」として算出します。

借入希望額が返済能力を超えている

借入希望額が返済能力を超えているかどうかの判断は、各金融機関にゆだねられています。金融機関独自の融資基準により「借入希望額が返済能力を超えている」となった場合は、借入可能額が希望額よりも低くなったり、審査に通らなかったりする可能性があります。

自身の収入と支出を考え、無理のない範囲で返済できる金額を希望するようにしましょう。

虚偽や誤った情報を申告している

カードローンを申し込む際、虚偽や誤った情報を入力すると審査に通らない可能性が高くなります。申し込みの際は、間違いのないよう慎重に入力しましょう。

審査をスムーズに進めるためにできること

カードローンの審査には、「こうすれば審査に通る」といった対策は存在しませんが、審査をスムーズに進めるためにできることはあります。以下の点に注意して申し込んでください。

  • 申込情報に誤りがないようにする
  • 必要書類を不備なく揃える
  • 在籍確認が取れるようにしておく
  • 自分の返済能力に合った借入希望額で申し込む
  • 借入件数や借入残高を減らしたうえで申し込む
  • 同時に何社も申し込まない

審査に通らなかった場合の資金調達方法

カードローンの審査に通らなかった場合の他の資金調達方法として、例えば「クレジットカードのキャッシング利用」「ほかのカードローンへの申し込み」などがあります。

クレジットカードのキャッシングを利用する

クレジットカードのキャッシングとは、クレジットカードで現金を借りられるサービスです。

すでにキャッシング枠が付帯していれば、すぐに利用できます。クレジットカードにキャッシング枠が付帯していない場合は申し込みが必要です。その際、カードローンと同様に返済能力に関する審査が行われます。

ほかのカードローンに申し込む

カードローンの審査は金融機関ごとに基準を定めているため、1社のカードローン審査に通らなくても、別の金融機関であれば通るケースがあります。

同時に複数のカードローンに申し込むと審査に通りにくくなるため、まずは1つのカードローンに申し込み、その審査に通らなかった場合は、ほかのカードローンを検討しましょう。

よくある質問

審査のないカードローンはありますか?

審査のないカードローンはありません。消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者は申込者の返済能力を調査する義務があるため、必ず審査を行います。金融機関の審査の詳しい内容や通る条件は非公開であるため、審査の甘いカードローンを探すことは難しいといえるでしょう。

カードローンの審査にはどのくらい時間がかかりますか?

カードローンの審査に要する時間は金融機関によって異なり、早い場合は即日で審査が完了します。消費者金融やクレジットカード会社のカードローンは銀行のカードローンと比べて比較的審査が早い傾向があります。

カードローンの審査に基準はありますか?

一般的に信用情報(ローンやクレジットカードの取引履歴)や属性(勤務先や収入など)をもとに本人の返済能力を判断しています。ただ「〇〇であれば審査に通過する」といったカードローン審査の基準は、どの金融機関も公表していません。

専業主婦(主夫)や無職でもカードローン審査に通りますか?

カードローンの審査は、無職や専業主婦(主夫)でも、世帯収入があれば審査に通る場合があります。ただし、多くのカードローンで「定期的な収入のある方」を申込条件としています。

カードローン審査に通過するためにできることはありますか?

「こうすれば審査に通る」といった対策は存在しませんが、審査をスムーズに進めるためにできることには以下のようなものがあります。

  • 申込情報に誤りがないようにする
  • 必要書類を不備なく揃える
  • 在籍確認が取れるようにしておく
  • 自分の返済能力に合った借入希望額で申し込む
  • 借入件数や借入残高を減らしたうえで申し込む
  • 同時に何社も申し込まない

信用情報を自分で確認する方法はありますか?

指定信用情報機関の「CIC」などに情報開示を申し込むことで、登録された自分の信用情報を確認できます。ただし、数百円〜1,000円程度の手数料がかかります。

小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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