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ノンバンクとは?銀行との違いをわかりやすく解説

ノンバンクとは?銀行との違いをわかりやすく解説

ノンバンクとは預金業務を行わない金融機関のことで、カードローンによる融資などを行っています。銀行でも融資を行っていますが、ノンバンクとは適用される法律が異なることから特徴にも違いがあります。カードローンを申し込む予定の方は、違いを理解して自分に適したものを選びましょう。

本記事では、ノンバンクを詳しく解説しています。ノンバンクと銀行の違いや、それぞれのカードローンを使い分けるポイントなどを解説しているので、借り入れを検討している方はぜひご覧になってください。

この記事でわかること
  1. ノンバンクとは何か
  2. ノンバンクと銀行の違い
  3. ノンバンクと銀行のカードローンの使い分け方

ノンバンクとは

ノンバンクとは預金業務を行わない金融機関のことで、おもに融資などの与信業務を行います。

ノンバンクの業務例

  • カードローン、住宅ローンなどの融資
  • クレジットカードなどによる販売信用、キャッシング

など

ノンバンクは「貸金業者」とも呼ばれ、貸金業法に則って融資を行います。借り入れを申し込む際に行われる審査に通過しなければ、融資は受けられません。審査は借り手に十分な返済能力があるか確認するため、収入状況や他社での借入状況などがチェックされます。

ノンバンクの代表例

ノンバンクにはさまざまな種類がありますが、代表的なのは「3大ノンバンク」と呼ばれる以下の3種類です。

代表的なノンバンク

  • 消費者金融
  • 信販会社
  • クレジットカード会社

消費者金融

消費者金融は、個人向けの融資を取り扱っている貸金事業者です。おもにカードローンによる融資を行っており、ATMや自動契約機などで借り入れが可能です。上限金利は年15.0%~20.0%と定められています。

過去には過度な貸し付けや取り立てが問題になったこともありましたが、現在は契約者にとって無理のある貸し付けができないように規制が制定されたため、安心して利用可能です。

信販会社

信販会社は販売信用業務をメインに行っている会社で、利用者に信用を供与し、購入する商品代金の立て替えを行います。クレジットカードの発行やローン商品の提供を行っているところも多くあります。

クレジットカード会社

クレジットカード会社は、主にイシュア業務(クレジットカード発行等)やアクワイアラ業務(加盟店管理等)を行っています。利用者がクレジットカードで商品を購入したり、キャッシングでお金を借りたりする際に、購入代金の立て替えや貸し付けを行っています。

ノンバンクと銀行のカードローンの違い

ノンバンクと銀行は、どちらもカードローンを提供しています。ノンバンクと銀行のカードローンは特徴に違いがあるため、詳しく確認してみましょう。

ノンバンクと銀行のカードローンの違い
ノンバンク 銀行
適用される法律 貸金業法 銀行法
借り入れできる対象者 安定した収入がある方 安定した収入がある方
審査の内容 いずれも非公開
融資スピード 最短即日融資 申し込みから1週間ほどで融資
金利 高め 低め

適用される法律

ノンバンクの融資には「貸金業法」が適用されるのに対し、銀行では「銀行法」が適用されます。融資を受ける側にとっての大きな違いは、総量規制が適用されるかどうかです。

総量規制とは、借り手の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制です。総量規制は貸金業法によって定められているため、ノンバンクには適用されますが銀行には適用されません。

ただし、銀行では総量規制を参考に独自の規制基準を設けており、借り入れできる金額は年収の3分の1以下になるケースが多いです。銀行ならノンバンクより多く借り入れできるとは限らないため、注意しましょう。

借り入れできる対象者

ノンバンクと銀行では、借り入れできる対象者が異なります。

ノンバンクでは総量規制が適用されるため、収入がある本人しか借り入れできません。銀行は総量規制の対象外であるため、本人に収入がない専業主婦(主夫)でも契約できる場合があります。ただし、配偶者に安定した収入がある場合などの条件があるため、申込条件の確認が必要です。

審査の内容

ノンバンクと銀行はどちらもカードローンの申込時に審査があります。審査は借り手の返済能力を確認するために行われますが、審査内容の詳細はいずれも公開されていません。

審査の際には、本人確認書類と収入証明書類の提出が必要な場合が多いです。ノンバンクでは以下のいずれかの条件(※1)に当てはまる場合、収入証明書類の提出が必須になります。

  • 1社から50万円超の借り入れとなる場合
  • 他社を含めた総借入金額が100万円超となる場合

※1 貸金業者各社において総借入金額を計算する場合、自社分は「利用限度額」、他社分は「貸付残高」として算出します。

融資スピード

ノンバンクと銀行のカードローンを比較すると、申し込みから融資が受けられるまでのスピードはノンバンクの方が速い傾向があります。ノンバンクのカードローンでは最短即日融資に対応しているものもあり、必要なときにすぐお金を借りられる可能性が高いでしょう。

銀行では審査に時間がかかる傾向があります。審査結果の回答は最短でも翌営業日になり、実際の融資には申し込みから1週間程度かかることが多いでしょう。

金利

カードローンの金利は、ノンバンクの方がやや高い傾向があります。金利とは、借入金に対する使用料である利息を計算するための利率です。金利が高いほど支払う利息も高くなるため、カードローンを選ぶうえで重要なポイントです。最も高い金利で比較すると、ノンバンクは18.0%ほど、銀行は15.0%ほどの場合が多くなります。

ただし、金利はカードローンの種類や借入金額によって変わるため、ノンバンクのほうが高くなるとは限りません。利用する際は、カードローンごとの金利をよく確認しましょう。

ノンバンクと銀行の上手な使い分け

ノンバンクと銀行のカードローンは、前述したとおり特徴が異なるため使い分けが大切です。ノンバンクと銀行、どちらが自分に適しているか、重視するポイントや状況などから判断しましょう。

ノンバンクのカードローンが向いている場合

以下の場合は、ノンバンクのカードローンが向いています。

  • 借入スピードを重視したい
  • 借入金額が少ない
  • 借入期間が短い

ノンバンクの大きなメリットは、申し込みから融資までの速さです。最短即日融資が可能なカードローンもあるため、銀行のカードローンと比べると急な出費にも対応しやすいでしょう。

ノンバンクは金利が比較的高いのがデメリットですが、少額の借り入れや、借入期間が短い場合は金利の影響が小さくなります。短期間で返済できる見込みがある方は、融資スピードや使いやすさを重視してカードローンを検討してみましょう。

銀行のカードローンが向いている場合

以下の場合は、銀行のカードローンが向いています。

  • なるべく金利を抑えたい
  • 借入金額が多い
  • 借入期間が長い
  • 専業主婦(主夫)で収入がない

銀行のカードローンの大きなメリットは、ノンバンクのカードローンと比べて金利が低いことです。返済総額を抑えたい方は、銀行のカードローンを検討してみましょう。高額の借り入れや長期間の借り入れをしたい場合は、特に金利の影響が大きくなるため、なるべく金利の低い銀行のカードローンがおすすめです。

銀行のカードローンは、収入がない方でも契約できる可能性があります。配偶者に十分な収入があることなどの条件はありますが、専業主婦(主夫)の方でカードローンを利用したい方は検討してみましょう。

よくある質問

ノンバンクとは何ですか?

ノンバンクは預金業務を行わない金融機関を指します。

ノンバンクと銀行の融資にはどのような違いがありますか?

ノンバンクは「貸金業法」、銀行は「銀行法」に基づき融資を行います。

例えばノンバンクは貸金業法の総量規制により、借り手の年収の3分の1を超える貸し付けが禁止されていますが、銀行には適用されません。

ノンバンクのデメリットは何ですか?

銀行と比べて、金利が高い傾向があることです。

ノンバンクの融資は銀行より金利が高い傾向があり、多額もしくは長期間の借り入れでは利息の負担が大きくなります。借り入れできる対象も異なり、ノンバンクでは総量規制により借り手に安定した収入が求められますが、銀行では専業主婦(主夫)の方でも契約できる可能性があります。

しかし、銀行での借り入れは最短即日で融資を受けられる場合もあるノンバンクと比較して、時間がかかる傾向にあります。

ノンバンクと銀行のどちらがおすすめですか?

融資までのスピードを重視するならノンバンク、金利を抑えたいなら銀行がおすすめです。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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