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クレジットカードのリボ払いとカードローンの違いは?借り換えや返済のポイントを解説

クレジットカードのリボ払いとカードローンの違いは?借り換えや返済のポイントを解説

クレジットカードのリボ払いとカードローンは、「残高がなくなるまで毎月定められた金額を支払う」という仕組みは似ていますが、リボ払いは利用代金の支払い方法、カードローンは借入金であり、手数料や金利、使用するカードの種類などが異なります。

クレジットカードのリボ払いをカードローンに借り換えることで利息負担を軽減できたり、返済管理がしやすくなったりする場合があります。クレジットカードのリボ払いのデメリットやカードローンに借り換える際のポイントを把握したうえで、借り換えを検討してみるのもよいでしょう。

この記事でわかること
  1. クレジットカードのリボ払いを利用するときに注意しておくこと
  2. クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えると、利息負担を軽減できる可能性がある
  3. カードローンに借り換えるときは、クレジットカードのリボ払いより金利の低いカードローンを選択する

クレジットカードのリボ払いとは

クレジットカードのリボ払いとは、クレジットカードの利用金額や利用回数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を毎月支払う方式(※)です。「リボルビング払い」や「リボルビング方式」と呼ばれることもあります。
※クレジットカードの支払方式によって支払額が一定でない場合があります。

クレジットカードのリボ払いは毎月の支払額に加え、残高に応じた手数料が上乗せされます。支払いは、残高がなくなるまで続く仕組みです。

リボ払いを設定していないクレジットカードの場合、毎月の利用金額によって支払額が変動します。リボ払いは毎月の支払いを一定にできるため、家計管理をしやすいといえるでしょう。

カードローンとは

カードローンとは、金融機関が個人向けに提供する融資商品です。クレジットカードには、リボ払いや一括払いによるショッピングや、キャッシングなどさまざまな機能がついていますが、カードローンは融資(キャッシング)限定の商品です。

カードローンで採用されている返済方式は金融機関によって異なりますが、基本的に毎月決められた金額を支払います。一般的に、クレジットカードのリボ払いよりカードローンのほうが手数料(利息)を抑えられる傾向があります。

クレジットカードのリボ払いとカードローンの違い

クレジットカードのリボ払いとカードローンの返済は、「残高がなくなるまで毎月定められた金額を支払う」という仕組みは共通しています。それぞれの違いは以下の通りです。

クレジットカードリボ払い カードローン
取引種類 利用代金の支払い 借入金
利用するカード クレジットカード ローンカード
金利または手数料 15~18% 2.9%~17.8%
資金使途 自由 自由
利用回数 利用可能額内であれば
繰り返し利用可
利用枠内であれば
繰り返し利用可
支払方法
(返済方法)
口座引落、銀行振込など 口座引落、銀行振込、ATMなど
審査 あり あり

※上記は例であり、実際は取り扱いの金融機関ごとに異なります。

クレジットカードのリボ払いとカードローンは、利用するカードが異なります。クレジットカードのリボ払いはクレジットカードを使って商品やサービスを購入し、カードローンは専用のカードやアプリなどを使って借り入れをします。

クレジットカードのリボ払いの手数料とカードローンの金利は金融機関によってさまざまです。クレジットカードのリボ払いの手数料はカードローンの金利よりも高いケースが多く、カード発行会社が同じであれば利用枠の金額に関わらず一律になります。

一方、カードローンは金融機関が同じでも借入可能額によって金利が変わります。借入可能額は利用者の年収などによって変動するため、カードローンの金利は人それぞれ異なる仕組みです。

クレジットカードのリボ払いは一般的に口座引落や銀行振込で支払いますが、カードローンはATMで返済するケースもあります。

クレジットカードのリボ払いは怖い?利用時の注意点

「リボ払いを利用するのは怖い」と思う方もいるかもしれません。リボ払いは便利な支払手段ですが、利用時に以下の点を把握しておくことが大切です。

毎月のカード利用金額を把握しにくい

クレジットカードのリボ払いは、毎月の利用金額を把握しにくいという特徴があります。

リボ払いの場合、設定した月々の支払額以上の買い物をすると支払期間が延びるものの、毎月の支払額は変わりません。そのため、毎月どれだけクレジットカードを利用したのかが分かりにくいと感じる方もいます。

毎月の利用金額を把握していなければ、つい使いすぎてしまう可能性があります。リボ払いで買い物をしたときはその月の利用金額や支払残高を把握するようにしましょう。

支払いが長期化しやすい

クレジットカードのリボ払いで買い物をした場合、自分で設定した毎月の支払額が少なすぎると、元金の支払いがなかなか進まない可能性が高くなります。

クレジットカードのリボ払いは毎月の支払額に手数料が含まれている場合が一般的です。

例えば支払額を2万円にしている場合、「元金+手数料=2万円」を支払うことになります。元金が大きい場合、手数料の金額も高くなるため、元金の返済額が少なくなって支払いが長期化するかもしれません。

繰り返しクレジットカードのリボ払いを利用している場合や、毎月の支払額の設定を低めにしている場合は、そのうちのどのくらいが手数料で、どれだけ元金が減っているのか確認するようにしましょう。

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えるメリット

ここでは、クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えた際のメリットを説明します。

利息負担を軽減できる可能性がある

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えると、返済期間によっては利息の負担を減らせる場合があります。

カードローンの金利のほうがクレジットカードのリボ払いの手数料より低いことが一般的です。そのため、クレジットカードのリボ払いをカードローンに切り替えることによって金利が下がり、その分利息負担が減るかもしれません。その結果、最終的な支払総額を減額できる可能性があります。

返済の管理がしやすくなる

クレジットカードのリボ払いが複数ある場合、カードローンに借り換えることで支払先を統一できます。

クレジットカードのリボ払いをひとつにまとめると返済日が統一され、返済を管理しやすくなるでしょう。また、借入残高や返済期間がわかりやすく、完済の目処が立ちやすくなるというメリットもあります。

利用できるショッピング枠が増える

クレジットカードのリボ払いはクレジットカードのショッピング枠を使います。ショッピング枠とはクレジットカードによる商品やサービスの購入に使える利用枠のことで、10~100万円に設定されていることが多いです。

クレジットカードのリボ払いを使えば、ショッピング枠が減ります。もしショッピング枠の上限まで使ってしまうと、支払残高を減らさないかぎり、そのクレジットカードによる買い物ができなくなります。カードローンに借り換えるとリボ払いの分がなくなり、ショッピング枠が増えるため、買い物で不便に感じることが少なくなるでしょう。

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えるときのポイント

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えると、支払総額を減らせる可能性があります。しかし、場合によってはそこまでメリットを得られない可能性もあるため、借り換える前に以下のポイントを確認しましょう。

クレジットカードのリボ払いの手数料より金利の低いカードローンを選択する

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えてお得になる可能性があるのは、借り換えるカードローンの金利がリボ払いの手数料より低い場合です。

カードローンによっては適用される金利がクレジットカードのリボ払いの手数料と大きく変わらないケースもあります。借り換える前に必ず金利を比較しましょう。

カードローンでの毎月の返済額を確認する

クレジットカードのリボ払いから金利の低いカードローンに借り換えしたとしても、毎月の返済額が少なければ返済期間が延びて利息負担が増えてしまいます。無理のない範囲で毎月の返済額を増やせば、速やかに返済できて利息負担を減らせるでしょう。

毎月の返済額は金融機関のWEBサイトのマイページなどで確認できます。毎月の返済額が少ない場合、繰り上げ返済を利用するなどしてできるだけ利息負担を抑えられるように工夫するとよいでしょう。

クレジットカードのリボ払いからカードローンへ借り換えるときには審査が必要

カードローンに新規で申し込む場合は、審査が行われます。審査に通過しなければ、カードローンを利用できません。

審査では現在利用しているクレジットカードの利用枠に加え、新たにカードローンを契約した場合の借り入れを踏まえて返済能力を確認されます。いくつものクレジットカードでリボ払いをしていたり、ほかにローンを利用していたりすると、返済能力が不十分であると判断され審査に通らない場合があります。

また、これまでクレジットカードのリボ払いの支払いを延滞している場合は、審査に通らない可能性が高いため注意しましょう。

よくある質問

クレジットカードのリボ払いとは何ですか?

クレジットカードの利用金額や利用回数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を毎月支払う方式です。
※クレジットカードの支払方式によって支払額が一定でない場合があります。

クレジットカードのリボ払いからカードローンに借り換えるデメリットは何ですか?

借り換えるカードローンの金利がリボ払いの手数料より低い場合でないと、利息負担を減らせません。また、カードローンの毎月の返済額が少ないと返済期間が延びてしまい、結果的に利息負担が減らない可能性があります。

クレジットカードのリボ払いとカードローンでは、どっちを利用するほうがよいですか?

利用方法や目的が異なるため、どちらがよいとは一概にはいえません。ただ、クレジットカードのリボ払いの手数料が高くて支払いが長期化している場合は、金利の低いカードローンへの借り換えを検討するのもひとつの選択肢です。

クレジットカードのリボ払いをカードローンに借り換えする方法以外で、支払総額を減らす方法はありますか?

クレジットカードのリボ払いで毎月の支払額が少なすぎると、支払いが長期化し、支払総額が増えやすくなります。無理のない範囲で毎月の支払額を増やす、あるいは繰り上げ返済を利用するといった方法で早めに完済すると、利息負担を抑えやすくなります。

小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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