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消費者金融での借り入れは年収の3分の1以下|総量規制を超える場合の対処法とは

消費者金融での借り入れは年収の3分の1以下|総量規制を超える場合の対処法とは

消費者金融で借り入れをできる金額は、年収の3分の1以下です。借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために貸金業法という法律で借入金額の上限が決められています。

「追加で借り入れをしたいが、総量規制を超える」という場合は、返済を優先して出費を見直しましょう。この記事では、消費者金融で年収を申告するときのポイントや総量規制を超えるときの対処法を説明しています。追加の借り入れを考えている方は、返済計画や出費を見直したうえで対応策を検討してみてください。

この記事でわかること
  1. 消費者金融で借り入れできる上限額
  2. 追加で借り入れをすると総量規制を超えるときの対処方法
  3. 年収の3分の1を超えて借り入れできるケース

消費者金融で借り入れできる上限額は年収の3分の1以下

消費者金融で借り入れする場合、総量規制に基づいて「上限額は年収の3分の1以下」という決まりがあります。

総量規制とは、貸金業者に対し消費者の年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁止する規制です。消費者を借り過ぎから守るために設けられています。

総量規制は、複数社すべての合計借入額が対象です。複数の貸金業者から借りている場合、すべての貸金業者からの借入額(※)の合計が年収の3分の1以下でなければなりません。

※貸金業者各社において合計借入総額を計算する場合、自社分は「利用限度額」、他社分は「貸付残高」として算出します。

例えば年収300万円の消費者がA社で80万円、B社で10万円を借り入れしている場合、新たなC社で借り入れできるのは10万円までです。

すでに年収の3分の1にあたる金額を借り入れている場合、返済をしなければ新たな借り入れは基本的にできません。

利用限度額は年収や信用情報で決まる

総量規制とは別に、貸金業者が契約者の情報によって設定する利用限度額があります。

利用限度額は審査によって決まり、本人の年収のほか、勤務先、勤務年数や過去の借入状況などの情報が考慮されます。過去の借り入れで延滞・遅延があった場合には、年収の3分の1に満たない金額が設定されることもあるため、借り入れ先に利用限度額を確認しましょう。

消費者金融へ申告する年収には何が該当する?

消費者金融へ借り入れを申し込む際には、自分の年収を申告する必要があります。年収に該当するのは定期的な収入にあてはまるもので、以下の通りです。

  • 給与(ボーナスを含む)
  • 年金
  • 恩給
  • 定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く)
  • 年間の事業所得(過去の事業所得と照らし合わせて安定的と認められるものに限る)

ギャンブルや宝くじなどで得た収入は、消費者金融に申告する年収に該当しません。

消費者金融の審査で虚偽の年収を申告するとどうなる?

消費者金融で借り入れするにあたって、年収をはじめ勤務先や借入件数、他社の借入残高などを偽るのは厳禁です。年収は、年齢、勤務先、雇用形態、勤続年数などをもとに審査され、虚偽がないか判断されます。

借入件数や借入残高など個人の借入利用履歴は本人の同意に基づいて信用情報機関に記録されており、消費者金融は審査のタイミングで閲覧可能になります。記入ミスであっても、事実と異なる申告があれば信用を失う可能性があるため、正しい情報を記入するように注意しましょう。

「1社で50万円を超える借り入れ」もしくは「複数社で合計100万円を超える借り入れ」のいずれかにあてはまる場合は、年収証明書類の提出も求められます。これらの書類も、内容に虚偽の申告があることが判明すると借り入れができません。

追加で借り入れたい金額が総量規制を超える場合の対処法

「追加で借り入れを検討しているが、総量規制を超える」という場合は、以下の2点を確認しましょう。

まずは返済を優先する

すでに年収の3分の1の金額を借り入れしている場合、返済をしなければ新たな借り入れが基本的にできません。まずは現在の借り入れの返済を優先しましょう。

毎月の返済額が少ない場合、元金の返済が進まず返済が長期化する傾向があります。月々の返済額を増やすなどして、返済期間を短くできないか検討するとよいでしょう。貯金に余裕ができたり、ボーナスが入ったりしたタイミングで繰り上げ返済(増額返済)をすると、より効率的に返済ができます。

収支を見直す

毎月の収支を見直し、支出が収入を上回っていないかを確認しましょう。

通信費・保険料などの固定費や、毎月の趣味に充てているお金を見直すと、減らせる出費が見つかるかもしれません。支出を減らして少しでも返済を優先できるようにすると、返済負担が徐々に改善されていくでしょう。

総量規制の例外や対象外となる4つのケース

ここでは、総量規制の対象外となる代表的な4つのケースを紹介します。

  • カードローンの借り換え
  • おまとめローン
  • クレジットカードのショッピング枠
  • 銀行・信用金庫からの借り入れ

※上記は一例です。

カードローンの借り換え

カードローンの借り換えとは、現在契約しているカードローンからほかのカードローンに乗り換えることです。現在契約しているカードローンより金利が低いカードローンに借り換えすると、返済期間を従前より長くするなどしない限り、利息の負担を少なくして支払総額を減らせます。
そのような借り換えは、借入残高を段階的に減少させる手段であるため、総量規制の例外貸付として、貸金業者から年収の3分の1を超えて利用できる場合があります。

おまとめローン

おまとめローンとは、現在契約している複数社のカードローンから1社のカードローンにまとめることです。カードローンの借り換えと似ていますが、借り換えは1社から1社、おまとめローンは複数社から1社に乗り換えるという違いがあります。

おまとめローンで借入先を1本にすることで、金利を下げられる可能性があります。カードローンの金利は借入金額が大きくなるほど下がる傾向があるため、まとめて大きな金額を借り入れすることで、金利を下げられる可能性が高まるのです。また、1本化すると返済の管理をしやすくなるでしょう。

おまとめローンは法令が規定する一定の条件を満たせば、顧客に一方的に有利となる借り換えとして総量規制の例外貸付に該当し、貸金業者から年収の3分の1を超えて利用できる場合があります。ただし消費者金融のおまとめローンの場合、銀行カードローンの借り入れが対象外となるケースもあります。おまとめローンのなかには返済専用で、新たな借り入れに対応していない場合もあるので注意が必要です。

クレジットカードのショッピング枠

クレジットカードのショッピング枠とは、ショッピングで利用できるクレジットカードの利用限度額です。ショッピング枠が100万円の場合、最高100万円分の買い物ができます。

クレジットカードで商品やサービスを購入するショッピングは、総量規制の対象外です。ショッピングのリボ払いや分割払い・ボーナス払いには、貸金業法とは別の法律「割賦販売法」が適用されています。

ショッピング枠は総量規制の対象外ですが、キャッシング枠(クレジットカードに付帯する、現金を借り入れできる機能)は総量規制の対象であるため、混同しないように注意しましょう。

銀行・信用金庫からの借り入れ

銀行や信用金庫などからの借り入れは、銀行法・信用金庫法が適用されるため総量規制の対象外となります。
銀行系のカードローンは独自の規制ラインを設けており、貸金業法による規制はないものの、返済能力などを考慮して上限をおおよそ年収の3分の1以下に設定しているケースが多いです。

よくある質問

年収が300万円の場合、消費者金融ではいくら借りられますか?

借り入れられるのは年収の3分の1以下であるため、最高100万円となります。ただし、審査によっては3分の1以下になる場合もあります。

消費者金融の審査で年収を偽って申告すると、判明してしまうのでしょうか?

年収は、年齢、勤務先、雇用形態、勤続年数などをもとに妥当な金額が算出され、その金額と申告の年収額がかけ離れていると虚偽であると判断される可能性があります。虚偽の申告が判明すると、借り入れできない場合があるため、正確な情報を申告しましょう。

すでに年収の3分の1を借り入れしている場合、これ以上借り入れするのは難しいでしょうか?

すでに年収の3分の1を借り入れしている場合、基本的に消費者金融では借り入れできません。「月々の返済額を増やす」「繰り上げ返済を利用する」などして、まずは現在の借り入れの返済を優先しましょう。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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