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カードローンのデメリット・危険性は?安全に利用するための対策を解説

カードローンのデメリット・危険性は?安全に利用するための対策を解説

突発的にお金が必要になったときに、比較的早く融資を受けられるカードローンは心強い存在です。しかし、カードローンは融資までのスピーディさや借り入れのしやすさにメリットがある一方で、金利が高い点や、借り入れの癖が付きやすくなる点などのデメリットもあります。

この記事でカードローンのデメリットと安全に利用するための対策を解説します。カードローンのデメリットを事前に知っておくことで、無理なく借り入れることができます。

この記事でわかること
  1. カードローンのデメリット3つ
  2. カードローンを安全に利用するための対策
  3. カードローンの利用をおすすめする人

カードローンのデメリットとリスクを回避するための対策

カードローンには以下のようなデメリットがあります。それぞれのデメリットの対策をあわせて確認しましょう。デメリットと危険を回避する対策を知っておくことで、安全にカードローンを利用できます。

  • ほかのローンと比べて金利が高い
  • 借りすぎてしまう可能性がある
  • ほかのローンに通りにくくなる場合がある

【デメリット】ほかのローンと比べて金利が高い

カードローンは、住宅ローンや自動車ローンといった目的別のローンに比べると、金利が高めに設定される傾向があります。金融機関や借入金額などによって異なりますが、金利の目安は以下の通りです。

住宅ローン 0.4%~2.0%
自動車ローン(マイカーローン) 1.0%~4.0%
カードローン 1.5%~18.0%

同じ金融機関でも、借り入れる金額によって金利が変わってきます。一般的に、借入額が大きければ金利は低くなり、借入額が少なければ金利は高くなるケースが多いです。

金利が高いということは、その分返済する利息も増えます。カードローンの利息は「元金×金利(年利)÷365日(うるう年は366日)×借入日数」で算出されます。借入日数、つまり返済期間が長くなれば長くなるほど、利息が増える仕組みです。返済が長期間にわたると、利息が膨れ上がって最終的な支払総額が増える可能性もあります。

【対策】返済期間をなるべく短くする

金利が高いカードローンは支払利息を軽減するように工夫することでデメリットを抑えられます。カードローンを利用する際は、なるべく返済期間を短くすることを意識しましょう。

金利の上限は、カードローンによって異なります。あらかじめいくつかのカードローンを比較したうえで、上限金利の低い商品を選ぶこともポイントのひとつです。

【デメリット】借りすぎてしまう可能性がある

カードローンは、借入可能額以内であれば何度でも借り入れできるというメリットがあります。24時間365日いつでも借りられるというメリットがある一方で、借りすぎてしまう可能性があります。

完済する前に次の借り入れを行ってしまい、結果的に返済が長期化する可能性があります。

【対策】計画どおりの借り入れ・返済をする

借りすぎてしまわないよう、あらかじめ返済スケジュールを立てましょう。借りる際にいつ・いくら返済していくのか見通しを立て、その通りに返済していけば問題ありません。

カードローンはカードがあれば、コンビニのATMで手軽に借り入れることができます。借り入れが癖にならないよう、カードを持ち歩かないようにするといった工夫も有効です。

計画的な借り入れをするためには「返済シミュレーションをして返済計画を立てる」の項目も参考にご覧ください。

【デメリット】ほかのローンに通りにくくなる場合がある

カードローンの利用・返済の仕方によっては、ほかのローンの審査に通りにくくなる場合があります。審査に通りにくくなる要因は、以下の通りです。これらの条件に該当しなければ、ほかのローンの審査への影響は少なくなります。

  • カードローンの返済が長期にわたっている
  • 返済の遅延・滞納歴がある
  • 複数のカードローンに契約している

カードローンを利用すると、信用情報機関に利用履歴が残ります。信用情報機関とは、個人の信用情報を管理している機関で、以下の3社があります。

  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)
  • CIC(指定信用情報機関)
  • JICC(日本信用情報機構)

以上の機関では、それぞれ銀行や信用金庫との取引、消費者金融との取引、クレジットカードの利用履歴など、扱っている情報が異なります。カードローンだけでなく、住宅ローンやクレジットカードなどの審査でも、信用情報機関に照会が行われます。過去の利用履歴に問題が判明すれば、審査に通りにくくなるかもしれません。

【対策】遅延なく返済をする

カードローンを契約しただけで信用情報に傷が付くということはありません。返済の遅延や滞納がなく、複数のカードローンに契約しているということがなければ、ほかのローンやクレジットカードの審査に通る可能性はあります。

信用情報に傷をつけないために、遅延がないように返済し、返済期間が長期にならないようにしましょう。ほかのローンやクレジットカードの新規申し込みを行う際には、審査を通りやすくするために、カードローンを完済しておくのがおすすめです。

信用情報に不安がある方は、自分で信用情報機関に情報開示を申請することもできます。ただし、会社にもよりますが、情報開示には1,000円程度の手数料がかかります。

カードローンの利用が向いている人

ここでは、カードローンの利用が向いている人の特徴を説明します。カードローンにはメリットとデメリットがありますが、以下のような方はメリットを活かしやすいでしょう。

  • 借り入れまでにかかる時間を比較的短くしたい人
  • 短期間に少額を借り入れしたい人

借り入れまでにかかる時間を比較的短くしたい人

カードローンはキャッシングやその他のローンと比べて審査時間の短さがメリットです。カードローン会社によっては、審査が数十分で完了し、申込当日に融資を受けられるものもあります。

スマートフォンで完結するカードローンであれば、カードが届くのを待たずに借り入れるので、融資までのスピードを重視する方におすすめです。

短期間に少額を借り入れしたい人

イレギュラーな出費で短期間に少額を借りたいという方にはカードローンがおすすめです。例えば知人の結婚式でご祝儀を用意する場合や、ケガで入院するための費用が必要になった場合など、一時的にまとまったお金が必要になったときに便利なのがカードローンです。少額でかつ短期間で返済できるのであれば、利息は高くなりにくく、返済の負担も少なく済むでしょう。

カードローンを安全に利用する方法

ここでは、信用情報への影響を抑えて、カードローンを安全に利用する方法を説明します。カードローンは申込者の返済能力や信用情報にあわせて、無理なく返済できる金額を借入可能額に設定しています。そのため、正しく利用をしていれば、返しきれなくなったり、借り入れすぎたりするということは基本的にはありません。

  • 返済シミュレーションをして返済計画を立てる
  • 返済日を厳守する
  • 臨時返済を活用する

返済シミュレーションをして返済計画を立てる

カードローンを申し込む前に、各カードローンの公式サイトにあるシミュレーションを活用して、返済計画を立てましょう。自分の返済能力を把握しておくことで、借り過ぎや返済の長期化を防げます。
返済シミュレーションでは、以下のような項目を入力します。

シミュレーションでわかること 入力内容
返済期間 借入金額・月あたりの返済額・金利
返済回数 借入金額・月あたりの返済額・金利
返済金額 借入金額・返済月数・金利

カードローン会社によってシミュレーションで確認できる内容や入力項目は異なるので、サイトにあわせて確認してみましょう。

返済日を厳守する

カードローンを契約したら、返済日は必ず守りましょう。1日でも返済日に遅れてしまうと、遅延損害金が発生して負担額がさらに大きくなります。返済の遅延歴は信用情報機関に残り、ほかのローンの審査に通りにくくなる可能性もあります。

返済日を忘れないように、スケジュールに書き込んだり、スマートフォンのリマインダー機能を使ったりして管理しましょう。専用のアプリを用意しているカードローン会社もあり、アプリで次回の返済日を確認できたり、返済の通知が届く設定にできたりするケースもあります。

臨時返済を活用する

返済期間を短くするために、「臨時返済」を活用するのもよいでしょう。カードローンは契約で決められた約定返済日に毎月返済する「約定返済」が一般的ですが、「臨時返済」で期日以外に返済を行うこともできます。ボーナスが入ったときや、貯金などで余裕ができたときに臨時返済を活用すると、返済の長期化を防げます

約定返済による返済額は、借り入れた元金だけでなく利息の返済にもあてられます。臨時返済による返済額はすべて元金返済にあてられるため、支払利息の負担を減らすことができます。

ただし、予定より早く完済しようと無理に多めの金額を返すのは、返済計画どおりに毎月の返済金を準備できなくなるリスクがあるので注意しましょう。臨時返済をしても当月の約定日に請求が来る場合があり、返済遅延の原因になる可能性もあるので、返済スケジュールや収入と照らしあわせて、無理のない範囲で行いましょう。

まとめ

カードローンは最短1日で借り入れができる一方で、「金利が高い」「借りすぎてしまう可能性がある」「ほかのローンに通りにくくなる」といったデメリットがあります。デメリットを理解し、以下のような対策を意識しましょう。

  • 金利が低い金融機関を選ぶ
  • 借りすぎてしまわないよう返済スケジュールをたてる
  • 遅延や滞納をせずに返済する

カードローンは、早く借り入れをしたい方や短期間に少額を借り入れたい方におすすめです。借り入れの際はカードローンのメリットとデメリットも踏まえて確認し、月々の返済金額や期間をシミュレーションしてから借り入れるようにしましょう。

よくある質問

カードローンの金利は高いのでしょうか?

住宅ローンや目的別ローンに比べると、高めに設定される傾向があります。

カードローンを契約していると、ほかのローンの審査に影響がありますか?

以下に該当すると、ほかのローンの審査に影響する可能性があります。
  • ・カードローンの返済が長期にわたっている
  • ・返済の遅延・滞納利益がある
  • ・複数のカードローンに契約している

臨時返済とは何ですか?

カードローン契約時に決めた返済期日以外の日に返済する方法です。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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