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共働き夫婦の家計管理方法5パターン|口座の分け方・上手に管理するコツを紹介

※本コラムの内容は、弊社の商品の内容を説明するものではありません。

共働き夫婦の家計管理方法5パターン|口座の分け方・上手に管理するコツを紹介

共働き夫婦のなかには、「二人とも仕事が忙しくて家計管理ができていない」という方もいるでしょう。お互いが何にいくら使っているか不透明であったり、役割分担が曖昧でどちらかが不満を抱えていたりすることも少なくありません。

共働き夫婦が家計を管理するためには、さまざまな方法があります。いずれの方法もメリット・デメリットがあるため、二人が納得できる方法を選ぶことが大切です。

この記事でわかること
  1. 共働き夫婦の家計管理は、二人が納得できる方法を選ぶ
  2. 共働き夫婦の家計管理は、ライフプランや目標貯蓄額を夫婦でよく話し合うことが大切
  3. 共働き夫婦の家計管理は、アプリなどを活用して管理の手間を減らすのがおすすめ
目次

    共働き夫婦の家計管理方法は主に5パターン

    ここでは、共働き夫婦の家計管理方法の主な5つを紹介します。それぞれの方法のメリット・デメリットも紹介していますので、二人に合った方法を選びましょう。

    共働き夫婦の家計管理方法

    1.費用別分担制:毎月の費用別で支払いを分担する

    1つ目は、毎月の費用ごとに支払いを夫婦で分担する方法です。例えば「家賃や水道光熱費は夫、食費や日用品は妻、税金や交通費はそれぞれで支払う」といったように項目別で分担します。

    費用ごとに分担する場合、個人の趣味や嗜好品、美容関連の支出などは各自の収入から支払うとよいでしょう。共通の費用と個人の費用を分けることで、予算を管理しやすくなります。生活費には「固定費」と「変動費」があり、分け方には、以下のような例があります。

    固定費 家賃、水道光熱費、通信費、住宅ローン、保険料、税金
    変動費 食費、日用品費、医療費、交通費

    それぞれの費用をどちらが分担するか、検討してみてください。

    メリット:担当が明確化でき、収入の差にあわせて分担できる

    項目ごとに夫婦で支払いを分担すると、負担をある程度公平にできます。収入の差や個々の負担能力を考慮して、支払いを分担することが可能です。

    また、特定の項目を担当することで、責任の明確化ができます。例えば、食費の支払いを妻が担当すると、妻が食材の買い物を担当することになるでしょう。家賃と車関連の支払いを夫が担当すると、家のメンテナンスや車の維持に関することは夫が中心となって進めるのが自然です。

    支払いの担当を明確にすることで家事の役割分担も自然にでき、自分の役割に責任を持ちやすいというメリットがあります。

    デメリット:家計全体の把握が難しい・柔軟性がない

    費用別に支払いを分担すると、家計全体の把握が難しい場合があります。夫婦それぞれがいくら支払っているのかを可視化しづらいため、コミュニケーション不足による誤解が生じる可能性があるのがデメリットです。

    支払いを分担する方法は、収入の変動や支出の増減に柔軟に対応しにくいことがあります。例えば特定の期間に食費が増えた場合、食費の支払いを担当しているほうが支払いの負担を感じやすくなるでしょう。収入や支出の性質によって一方が負担感を感じてしまい、揉めることがあるかもしれません。

    また、項目ごとに支払いを分担すると、個々のニーズや嗜好が異なる場合に意見の不一致が生じる可能性があります。例えば、「妻は食費に多くの支出をしたいと思っているものの、夫がそれに同意しない」ということもあるでしょう。夫婦で費用を負担する場合は、各費用の目安やその時々の負担の大きさを話し合うことが大切です。

    2.共通口座制:毎月定額を共通の口座に入れて、そこから生活費を支払う

    夫婦どちらかの名義で口座を作り、そちらを共通口座として生活費を支払う方法です。「それぞれ月収の5割を家計に入れる」「それぞれ10万円を家計に入れる」などとルールを決め、そのなかで生活費をやりくりします。毎月決めた金額を共通の口座に入れ、それ以外は自分で自由に使えるお金として残せます。

    共通口座を利用する流れは、以下のとおりです。

    • 毎月の貯蓄や生活費に必要な金額を計算する
    • 共通口座に入れる金額を話し合って決める
    • 毎月の給与日に、各自の口座から共通口座に定額を振り込む
    • 家計簿アプリなどを利用して、共通口座の入出金管理を行う
    • 定期的に家計簿を見直し、必要に応じて共通口座に入れる金額を調整する

    メリット:お互いの収入や支出が明確になる

    毎月決まった金額を口座に入れると、二人の経済状況が明確になります。「自分の収入がどのくらい家計に使われているのか」を把握でき、無駄遣いを減らしやすくなるでしょう。

    また、共通口座に入れる金額を決めておくことで、計画的な家計管理が可能です。毎月の支出を把握でき、将来の貯蓄や投資の計画を立てやすくなるでしょう。

    デメリット:共通口座の使い方や管理について、事前に話し合いが必要

    共通口座で管理する場合、共通口座から支払う費用の項目を事前に話し合って合意する必要があります。食費や日用品などの生活費だけでなく、「交際費や娯楽費は共通口座から払うのか」なども決めておいたほうがよいでしょう。

    共通口座の使い方を事前に話し合っていない場合は、コミュニケーション不足による誤解や不満が生じる可能性があります。例えば一方が勝手に共通口座から高額な買い物をしてしまった場合、もう一方が不満を感じるかもしれません。
    毎月の収入と支出を把握し、予算を立てて管理することが重要です。

    3.片方お小遣い制:夫婦どちらかが家計を管理して、片方に生活費・お小遣いを渡す

    家計管理に得意なほうが全体の管理を行い、もう一方は生活費やお小遣いを渡されるというシンプルな方法です。

    この方法では、以下のような流れで管理します。

    • どちらが家計を管理するか話し合って決める
    • 毎月の貯蓄や生活費に必要な金額を計算する
    • 生活費やお小遣いの金額を決める
    • 家計を管理する人が、家計簿アプリなどを利用して支出を管理する
    • 定期的に家計状況を二人で確認し、必要があれば生活費やお小遣いの金額を調整する

    メリット:家計管理がしやすく、無駄遣いを減らしやすい

    家計管理に得意なほうが全体の管理を行うことで、効率的に管理できます。家計簿アプリなどを活用すれば、支出を把握しやすくなるでしょう。

    また、生活費やお小遣いがあらかじめ決まっているため、無駄遣いを減らしやすいのがメリットです。家計の見通しが立つため、貯金や投資もしやすくなります。

    デメリット:コミュニケーション不足による誤解が生じる

    お金について二人でよく話し合えていない場合は、コミュニケーション不足による誤解が生じる可能性があります。例えば、家計管理をしているほうが勝手に高額な買い物をしてしまった場合、もう一方が不満を感じたり、お小遣いの金額に納得がいかなかったりするかもしれません。家計管理を担当している側が、自分だけが管理することに負担やストレスを感じる可能性もあるでしょう。

    また、管理をしていない側は、家計管理の透明性が低いと感じることがあるかもしれません。どちらか一方が家計を管理するとしても、今月の支出がいくらだったかを共有するなどして、二人で家計の状況を確認する機会を持つことが大切です。

    4.両方お小遣い制:二人のお金をすべて一つにまとめ、二人ともお小遣い制にする

    二人のすべてのお金を合算し、そのなかから二人のお小遣いを取って残りをすべて生活費や貯蓄にする方法です。夫婦が共同で家計を管理することで、個々の自由な支出を確保できます。

    メリット:貯蓄目標を達成しやすい・お互いの収支が明確になる

    二人の収入や支出をすべて共有することで、家計全体の把握しやすくなります。自由に使える金額が決まっているため、無駄遣いを減らしやすくなるでしょう。

    お小遣い制であるため、自分の好きなものにお金を使う前に「本当に必要なのか」を考える習慣がつきやすくなります。毎月安定した金額を貯蓄にまわしたい場合に向いている方法です。

    デメリット:お互いが自由に使えるお金が少ない

    お小遣い制となるため、お金に対する自由度が制限されるというデメリットがあります。自分の好きなようにお金を使えないために、不満を感じることがあるかもしれません。

    二人のお金をすべて一つの口座にまとめたうえで、お小遣いの金額は二人で話し合って納得できる金額に設定しましょう。

    5.生活費・貯蓄分担制:夫婦どちらかの収入を生活費、もう片方を貯蓄に回す

    一方の収入を生活費にあて、もう一方をすべて貯蓄にあてる方法です。夫婦で収入の差がある場合は、収入が少ないほうの収入をすべて貯蓄に回し、多いほうは生活費やお互い自由に使えるお金に回すなどで分担します。

    パートタイムで働くほうや産休・育休を取る予定があるほうを貯蓄担当にするケースが見られます。

    メリット:貯蓄目標を達成しやすい

    一方の収入を完全に貯蓄に回すことで、確実にかつ短期間で貯蓄目標を達成しやすくなります。計画的に貯蓄できるため、将来への不安を軽減できるでしょう。老後の生活資金や子供の教育費など、将来の大きな出費に備えやすいのがメリットです。

    夫婦で収入に差がほぼない場合は、お互いが不公平感を抱くことなく納得して分担できるという特徴があります。

    デメリット:収入が多いほうが不満やストレスを抱きやすい

    収入が多い側は自分の収入に対して自由に使えるお金が少ないため、負担が大きく感じることがあります。二人の収入に差がある場合、収入が多いほうが「本当に公平なのか」「貯蓄はできているのか」などの疑いを持ちやすくなるかもしれません。

    貯蓄の状況や毎月の支出を共有し、お互いが納得できるように会話することが重要です。

    共働き夫婦が家計管理をする際に話し合いたい内容

    夫婦が共働きである場合、限られた時間を有効活用しながら二人で協力してお金の流れを把握することが重要です。ここでは夫婦で話し合うべき内容を説明します。

    現在の貯蓄額や収入

    現在の貯蓄額や収入を正確に把握することは、家計管理の出発点です。夫婦間で貯蓄額や収入を共有し、現在の経済状況を理解することが重要です。双方が家計の状況を把握することで、将来の財政計画を立てる基盤を築きやすくなります。

    夫婦で共有する情報には、以下のようなものがあります。

    • 二人の口座にある貯蓄額
    • 毎月の収入(給与、ボーナス、そのほか)
    • 収入から天引きされる社会保険料や税金 など

    無理のない貯蓄計画を立てるためにも、二人の収入や貯蓄額を確認しましょう。

    毎月の支出

    家計管理をスムーズに行うためには、それぞれの支出を共有しましょう。毎月の支出を詳細に把握することは、無駄な支出を減らし、家計を効果的に管理するための重要なステップです。

    支出を確認すると、節約できる要素が見つかるかもしれません。家計に必要な支出や節約の余地を見つけるためにも、支出の詳細を共有する必要があります。

    将来的なライフプラン

    将来に必要な貯蓄額を把握するために、どのような生活を送りたいかを話し合いましょう。ライフプランには、以下のようなものがあります。

    • マイホームの購入
    • 出産
    • 子どもの教育
    • 老後の生活 など

    将来的なライフプランを明確にすると、必要な貯蓄額を計算できます。

    目標の貯蓄額

    共働き夫婦は、将来のための貯蓄目標を設定することが重要です。「家を買う」「子供の教育費用を貯める」など共通の目標を設定し、それに向けて貯蓄を行うことでお互いが責任を持って管理しやすくなります。

    まずはライフプランを考え、その実現に必要な貯蓄額を計算しましょう。

    共働き夫婦が上手に家計管理をするためのコツ

    時間が限られた共働き夫婦が上手に家計管理をするためには、以下の点を心がけましょう。

    • コミュニケーションをしっかりとる
    • 家計簿アプリなどを活用する
    • 自動化できるものは自動化する

    コミュニケーションをしっかりとる

    共働き夫婦で上手に家計管理をするためには、こまめなコミュニケーションが重要です。お互いの収入や貯蓄の目標などについて定期的に話し合う機会を持ちましょう。

    問題や懸念がある場合は夫婦で共有し、解決策を一緒に考えることが大切です。日々の買い物についても事前に相談すると、どちらかが不満を感じる機会を減らしやすくなります。

    家計簿アプリなどを活用する

    家計簿アプリなどを活用すると、スムーズに支出を記録することができます。出かけ先などでも、買ったものをスマホから簡単に入力することが可能です。

    また、予算設定や分析機能なども備えているものもあるため、家計管理をより効率的に行えます。家計管理にかける時間を減らしたい方は、アプリの導入を検討してみてください。

    自動化できるものは自動化する

    自動化できる支払いは自動化することで、家計管理の手間を減らせます。公共料金(電気、ガス、水道など)や携帯電話料金をクレジットカード払いや口座の自動引き落としにすることで、支払いや管理を自動化できます。自動化すると、支払いのために銀行やコンビニに行く必要がありません。

    家計簿アプリには、クレジットカードや口座の利用情報を連携させられるものもあります。アプリに連携すると、クレジットカードなどで支払ったものを家計簿に入力する手間を減らせます。クレジットカードで頻繁に買い物をする方は、アプリに利用情報を自動連携させておくのがおすすめです。

    また、毎月一定額を自動的に預金口座に振り込む「自動積立」を設定すると、貯蓄がふえやすくなります。給料日の直後など、収入が入ったタイミングで積立を行うと効果的です。

    夫婦で共通の目標を設定する

    家計管理は手間もかかりますが、継続することが大切です。マイホーム購入や旅行など、夫婦で共通の目標を設定すると、家計管理のモチベーションを維持しやすくなります。

    目標を設定しておくと、突発的に大きな買い物をしたいときも「本当に必要なのか」「目標達成に影響はないのか」と慎重に考えることができます。二人で協力して家計管理を行えるよう、夫婦で共通の目標を設定してみてください。

    お互いを尊重し、協力する

    家計管理は、夫婦二人で協力して行うものです。お互いの意見を尊重して協力することで、円滑に進めやすくなります。

    お小遣いの金額や役割分担などに不満を感じている場合は相談し、ルールを見直せないか考えましょう。個人で自由に使える分のお金に関しては、お互いに立ち入りすぎないようにすることも大切です。

    緊急の出費にも備えておく

    貯蓄とは別に、緊急用の出費を用意することは非常に重要です。例えば入院や冠婚葬祭、車の故障など、突発的にお金が必要になることもあるでしょう。

    緊急時の支出を貯蓄から賄うと、金額によっては将来のプランに影響を与えるかもしれません。緊急時の支出は貯蓄と別に備えておくと、家計の安定につながります。

    よくある質問

    共働き夫婦の家計管理方法を教えてください。

    共働き夫婦が家計管理を行うためには、以下のような方法があります。

    • 毎月の費用別で支払いを分担する
    • 毎月定額を共通の口座に入れて、そこから生活費を支払う
    • 夫婦どちらかが家計を管理して、片方に生活費・お小遣いを渡す
    • 夫婦どちらかの収入を生活費、もう片方を貯蓄に回す
    • 二人のお金をすべて一つにまとめ、二人ともお小遣い制にする

    共働き夫婦の家計管理をクレジットカードで簡単に行う方法を教えてください。

    夫婦で共通の家計簿アプリを活用し、すべての支出をアプリに記録するとそれぞれのクレジットカードの利用履歴を確認できます。

    共働き夫婦の生活費はいくらずつですか?

    共働き夫婦の生活費は、夫婦の収入や住んでいる地域、ライフスタイルによって大きく異なります。総務省統計局の家計調査(2024年4月5日)によると、二人以上世帯の共働き夫婦の平均生活費は、月あたり307,765円です。
    「家計調査結果」(総務省統計局)( https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf )(2024年4月13日に利用)

    夫婦名義で共通口座を作れますか?

    作ることはできません。夫婦で共通口座を作る場合は、夫婦どちらか一方の名義で口座を開設し、もう一方を代理人として登録することをおすすめします。
    小宮 崇之
    CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
    小宮 崇之(こみや たかし)
    大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
    保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
    スマホで借りて、スマホで返す ORIX MONEY