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カードローンは解約すべき?メリットや注意点、完済との違いを解説

カードローンは解約すべき?メリットや注意点、完済との違いを解説

カードローンは完済したり、契約期間が満了したりしても解約の扱いになることは基本的にありません。解約する場合は自分で手続きを行う必要があります。

解約すると不要不急の借り入れ防止などのメリットがある一方で、解約後に借り入れる際はふたたび審査を受けなければならないなどの注意点もあります。ご自身の状況に合わせて、適切な判断を行うことが大切です。

この記事でわかること
  1. 解約と完済の違い
  2. カードローンを解約するときの注意点
  3. カードローンを解約するメリット

カードローンを完済しても解約にはならない

カードローンの解約と完済は、同じ意味ではありません。完済とは、借り入れをすべて返済することです。一方、解約とは、完済したうえで今後そのカードローンを使えないよう契約を解除することです。

解約するにあたってまずは完済する必要があり、借り入れが残った状態での解約はできません。カードローンの場合、借入可能額まで繰り返し借り入れできる仕組みのため、完済しても解約したことにはならないと留意しておきましょう。

契約期間が満了になっても自動更新される

カードローンは契約期間が満了になると自動更新されるのが一般的です。有効期限が近づくと、期限が更新された新しいカードを自動的に発行し、利用者に送付する金融機関もあります。

更新の際は金融機関がカードローンの利用状況などを確認し、問題がなければカードが発行されます。基本的には、自分で解約手続きを行わない限り解約になりません。

カードローンの解約方法

カードローンの解約方法は、電話での受付が主流です。ここでは、電話による解約の手順を紹介します。

1.カードローンを完済する

カードローンを解約するためには、まず借入金の完済が必要です。

硬貨に対応していないコンビニATMなどでは、1,000円未満の借入残高を返済しきれない場合があります。口座引き落としなどであれば問題ありませんが、完済するためには元金だけでなく利息として生じた端数も支払う必要があるため、注意しましょう。

2.電話で解約を申し出る

カードローンを完済したら、契約しているカードローンにおいて指定された電話番号に連絡して解約を申し出ます。本人確認書類などの提出を求められる場合もあります。手続きを終えたあとは、カードの不正利用や個人情報の漏えいを防ぐためにカードの現物がある場合には、細かく切るなどして処分してください。

カードローンを解約する場合の注意点

カードローンを解約してしまうと、再度借り入れが必要になった場合、改めてカードローンを申し込んで審査を受けなければなりません。解約後に急な出費が発生した場合に、すぐに資金を準備できずに困ることも考えられます。

近い将来に借り入れをする可能性がある方にとっては、一度解約すると不便に思うこともあるでしょう。カードローンで借り入れをせず、契約しているだけであれば基本的に金利や手数料は発生しないため、万が一に備えて解約せず契約しておくのもひとつの手段です。

カードローンを解約するメリット

カードローンを解約すると、以下のようなメリットがあります。

  • 不要不急の借り入れを防止できる
  • 借り入れを整理できる

不要不急の借り入れを防止できる

カードローンを解約して使えないようにすれば、不要不急の借り入れを防止できます。

カードローンは借入可能額内で繰り返し借り入れできるため、借入残高がなかなか減らずに返済が長期化することもあるでしょう。

今後の借り入れを想定されない場合は、不要不急の借り入れを防止するために解約するのもひとつの考えです。

借り入れを整理できる

複数のカードローンを契約している場合、必要なものだけを残しておくと借入可能額や信用情報を整理できます。

審査の基準は公開されていないため、一概にはいえませんが、実際に借り入れていなくても、カードローンの契約があればいつでも借り入れできる状態であると判断され、他のローンの審査にマイナスの影響を与えることも考えられます。

また、契約内容や返済状況などの信用情報が保有される期間は、「契約期間中」および「契約終了後5年以内」と定められています。解約をしないかぎりそのカードローンの信用情報を照会できるため、使わなくなったカードローンがあればできるだけ早めに解約したほうがよいかもしれません。

カードローンを解約したほうがよい人・しないほうがよい人

カードローンの解約には、メリットとデメリットがあります。「完済したあと、自分は解約すべきなのか」と悩む方もいるかもしれません。

ここでは、解約したほうがよい人、しないほうがよい人の特徴を紹介します。ご自身の状況によっても変わるため、あくまで判断の目安として参考にしてみてください。

カードローンを解約したほうがよい人
  • 不要不急の借り入れを防止したい
  • 急な出費にも手持ち資金で対処できる
  • 今後住宅ローンや自動車ローンなどを組む予定がある
カードローンを解約しないほうがよい人
  • 万が一に備えて借入先を確保しておきたい
  • 不測の事態でお金が用意できない可能性がある(給料や貯金で対応できない)

万が一に備えて借入先を確保したい方、不測の事態でお金を用意できない可能性がある方は、カードローンの継続を検討してみてください。解約すると、再度借り入れをしたいときに改めてカードローンを申し込んで審査を受ける必要があるため、不便に感じることもあるかもしれません。

よくある質問

カードローンを解約すると信用情報に影響がありますか?

カードローンを解約すると解約した履歴が残ります。また、実際に借り入れていなくても、カードローンの契約があればいつでも借り入れできる状態であると判断され、他のローンの審査にマイナスの影響を与えることも考えられるため、利用する予定がないカードローンは解約を検討してみてください。

カードローンを解約する際には、完済証明書を発行してもらえますか?

完済証明書は任意発行であることが多いため、ご自身で申請する必要があります。

完済証明書の発行手順は金融機関によって異なり、完済証明書ではなく代理の証明書(残高証明書など)を発行するところもあります。借入先の金融機関に確認してみてください。

カードローンを解約してから住宅ローンや自動車ローンを申し込んだほうがいいですか?

カードローンを今後も利用する予定がないのであれば、解約してから住宅ローンや自動車ローンに申し込んだ方がよいでしょう。

なぜなら、金融機関の審査では、カードローンの借入可能額も考慮されることがあり、審査で決められる融資額に影響する可能性が考えられるためです。

カードローンの解約はいつ信用情報に反映されますか?

カードローンの解約がいつ反映されるかは、金融機関や信用情報機関によって異なります。即日対応する場合もあれば、解約月の月末の場合もあります。気になる場合は、信用情報機関に信用情報の開示を依頼してみてもよいでしょう。ただし、信用情報の開示には手数料がかかるため、注意してください。

カードローンの完済後、返済や延滞などの履歴はいつ消えますか?

ローンの契約や返済、解約などのデータが信用情報機関に保有される期間は、「契約期間中」および「契約終了後5年以内」と定められています。従って契約終了後5年を超えて登録されることはありません。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
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