お金の基礎知識やお役立ち情報満載。マネーコラム

カードローンの借り換えはデメリットがある?審査や借り換え先選びのポイントを紹介

カードローンの借り換えはデメリットがある?審査や借り換え先選びのポイントを紹介

カードローンの借り換えは、「支払利息を軽減できる」「毎月の返済額を減らせる」といったメリットがあります。一方で、借り換えを行うために「再審査を受けなければならない」「必ず支払総額が抑えられるとは限らない」といった側面もあります。

カードローンの借り換えを検討している方はメリットとデメリットをそれぞれ理解し、自分に合った借り換え先を選ぶことが重要です。

この記事でわかること
  1. カードローンの借り換えを行ったときのシミュレーション例
  2. カードローンの借り換えは、自分に合った借り換え先を選ぶことが重要
  3. カードローンを借り換える前にシミュレーションをする

カードローンの借り換えとは

カードローンの借り換えとは、現在契約しているカードローンから他社のカードローンに乗り換えることです。

現在契約しているカードローンより金利が低いカードローンに借り換えをすると、返済期間によっては利息の負担を少なくして支払総額を減らせる場合があります。全額分借り換えができず一部分だけ借り換えをする場合でも、金利次第では負担を減らせるでしょう。

借り換え先の返済方式によっては、毎月の返済額を減らせたり管理をしやすくしたりすることが可能です。

借り換えとおまとめローンの違い

借り換えの一種に「おまとめローン」という仕組みがあります。おまとめローンとは、複数社からの借り入れを1社にまとめて借り換えできる商品のことです。借り換えとおまとめローンは、元々お金を借りていた金融機関が1社か複数社かという違いがあります。

クレジットカードのリボ払いをカードローンに借り換えすることも可能

カードローンのほかに、クレジットカードのリボ払いやキャッシングも借り換えが可能です。

クレジットカードのリボ払いの手数料は、カードローンの金利より高い傾向があります。クレジットカードのリボ払いから金利の低いカードローンに借り換えると、利息の負担が減って最終的な支払総額を減らせる可能性があります。

借り換えで支払総額が減る?シミュレーションしてみよう

現在契約しているカードローンよりも低い金利のものに借り換えをすると、実際にどれくらい利息の負担が減るのか確認してみましょう。100万円、200万円、300万円を借り換えた場合の返済シミュレーションを紹介します。

適用金利はカードローンを扱う金融機関や審査の結果によって異なるため、目安としてとらえてください。

100万円を借り換える場合

適用金利が異なるカードローンで100万円を返済したときの支払総額と利息総額の違いは、以下のとおりです。

適用金利 支払総額 利息総額
A社 年15% 1,083,100円 83,100円
B社 年12% 1,066,185円 66,185円

※1年で返済した場合
※端数など実際の返済額と異なることがあります。

年12%のカードローンに借り換えた場合、利息負担を約1万7千円抑えられています

200万円を借り換える場合

適用金利が異なるカードローンで200万円を返済したときの支払総額と利息総額の違いは、以下のとおりです。

適用金利 支払総額 利息総額
A社 年14% 2,154,890円 154,890円
B社 年10% 2,109,981円 109,981円

※1年で返済した場合
※端数など実際の返済額と異なることがあります。

年10%のカードローンに借り換えた場合、利息負担を約4.5万円抑えられています

300万円を借り換える場合

適用金利が異なるカードローンで300万円を返済したときの支払総額と利息総額の違いは、以下のとおりです。

適用金利 支払総額 利息総額
A社 年13% 3,215,421円 215,421円
B社 年9% 3,148,253円 148,253円

※1年で返済した場合
※端数など実際の返済額と異なることがあります。

年9%のカードローンに借り換えた場合、利息負担を約6.7万円抑えられています

カードローンの借り換えをするデメリット

カードローンの借り換えは、支払総額を抑えられる可能性がある一方でデメリットもあります。借り換えを行う前にデメリットを確認しておきましょう。

審査を受けなければならない

借り換えをする際、新たにカードローンを申し込むことになるため、借り換え先で審査を受けなければなりません。以下のような条件にあてはまる場合は、審査に落ちて借り換えをできない可能性があります。

審査に不利な条件の例

  • 収入が安定していない
  • 過去に返済を延滞したことがある
  • 職を失っている
  • 勤続年数が短い など

審査結果にかかわらず、新たにカードローンに申し込んだことは信用情報に記録されるため、慎重に検討することが大切です。

利便性が低くなる可能性がある

契約中のカードローンを使い慣れている場合、借り換えをして返済や借り入れの仕組みが変わることで、使いにくさを感じる可能性があります。

例えば今まで利用していたATMが使えなくなったり、手数料がかかるようになったりするなどの変更が生じるかもしれません。アプリの仕様が異なるために使いにくさを感じる可能性もあります。

支払総額が減るとは限らない

借り換えをして適用金利が低くなったとしても、毎月の返済額が少なくなれば返済期間が延びます。返済期間が延びると結果的に支払う利息の総額は増える恐れがあり、借り換えをしても支払総額を抑えられない可能性があります。

借り換え後に設定できる毎月の返済額を確認し、返済を長期化させないよう注意が必要です。

カードローンの借り換えの審査は厳しい?

「カードローンの借り換えは審査が厳しいのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、借り換えだからといって審査が厳しくなるとは言い切れません。

ただし、審査時に他社からの借入件数や借入額、延滞の有無などを確認されます。これらに不利な情報がある場合は、審査に通らない可能性があります。

カードローンの借り換えはこんな方におすすめ

ここでは、カードローンの借り換えがおすすめの方、必要ない方の例を紹介します。

カードローンの借り換えがおすすめの人

以下のような方には、カードローンの借り換えがおすすめです。

  • 現在契約中の金利が他社より高いと感じている
  • 毎月の返済額を減らしたい

金利が低いカードローンに借り換えることで、利息総額を抑えられる可能性があります。また、支払方式が異なるカードローンを選ぶことで毎月の返済額を減らせるかもしれません。「金利を抑えたい」「毎月の返済額を減らしたい」という方は、カードローンの借り換えを検討してもよいでしょう。

借り換え先を選ぶときは金利や返済額だけでなく、借り入れや返済のしやすさも考慮するようにしましょう。

金融機関によっては、借り入れ・返済時に手数料はかかる場合があります。利用方法においては、インターネット上で利用できるほうが便利だと感じる方もいるでしょう。毎月の返済に、手間や負担がかからない借り換え先を選ぶようにしてください。

カードローンの借り換えが必要ない人

以下のような方には、カードローンの借り換えは必要ないと考えてよいでしょう。

  • 現在の金利に不満がない
  • 新規入会サービスなどの特典目的で借り換えを検討している
  • 延滞歴がある

現在の金利に不満がない方は、無理に借り換えを行う必要はありません。現在の契約で返済を継続しましょう。

金融機関では新規入会の特典を設けているときがあります。特典を受けるために借り換えを行った場合、借り換え後の返済方式や金利によっては、支払総額を抑えられない可能性があります。借り換えを検討する場合は、事前にシミュレーションを行いましょう。

過去の延滞履歴は信用情報機関に登録されており、信用情報が保有される期間は、「契約期間中」および「契約終了後5年以内」と定められています。延滞歴がある場合は、借り換えは難しいでしょう。

カードローンの借り換え方法・手順

ここでは、カードローンの借り換え手順の一例を紹介します。

新規でカードローンに申し込む

多くのカードローンは、インターネットから24時間申し込みが可能です。申込フォームに氏名や住所、勤め先などの情報を入力して送信します。

カードローンの申し込みには条件が設定されていることが多く、条件の例には以下のようなものがあります。

  1. 日本国内に居住
  2. 年齢満20歳以上69歳まで
  3. 毎月定期収入がある方

申し込み条件は金融機関によって異なります。申し込む前に条件を確認するようにしましょう。

審査を受ける

申込フォームに入力された情報を元に、融資可能か審査が行われます。審査で確認される内容の例には、以下のようなものがあります。

  • 信用情報
  • 本人・家族の情報
  • 本人の勤務先

審査結果が届き、必要書類を提出する

審査が通ったら、必要書類を提出します。提出書類の例には、以下のようなものがあります。

必要書類
本人確認書類 運転免許証
マイナンバーカード
健康保険証
パスポート
住民票
在留カードまたは
特別永住者証明書
など
年収証明書類(※) 源泉徴収票
給与明細書
賞与明細書
課税証明書
確定申告書
など

※借入金額によって不要な場合があります。

金融機関によって必要な書類や枚数が異なるため、事前に確認しておきましょう。

入会手続きをして、融資を受ける

書類を提出したら、契約内容の確認・同意手続きを行います。入会手続きを終えると融資を受けられます。

以前契約していたカードローンを一括で返済する

新規契約したカードローンで、以前契約していたカードローンの借入金額分を借り入れます。新たに借り入れたお金で、以前契約していたカードローンを一括で返済してください。

新規契約したカードローンを返済していく

以前契約していたカードローンの返済を終えると、新規契約したカードローンの返済のみが残ります。新規契約したカードローンを返済していきましょう。

借り換え後も計画的に返済しよう

借り換え後の金利だけでなく、返済期間も利息総額に影響を与えます。借り換えによって支払総額を減らしたい場合は、繰り上げ返済によって返済期間を短縮することで、さらに利息負担を抑えることが可能です。シミュレーションを活用して、計画的な返済を心がけましょう。

※シミュレーションの際は最も高い金利を入力するなど余裕を持った返済計画を立てましょう。

よくある質問

カードローンの借り換えの審査は厳しいですか?

カードローンの借り換えというだけで審査が厳しくなるとは言い切れません。カードローンの資金使途は原則自由であり、新規申込時に、金融機関に対して「借り換え目的での新規申し込みである」と伝えることは基本的にないためです。

カードローンの借り換えをするメリットは何ですか?

カードローンの借り換えをすると、支払利息を軽減できたり、毎月の返済額を減らせたりする可能性があります。

カードローンの借り換えをするデメリットは何ですか?

カードローンの借り換えをするためには再審査を受けなければなりません。返済や借り入れの仕組みが変わって利便性が低くなったと感じることもあるでしょう。
また、借り換えをすれば必ず支払総額が抑えられるとは限りません。事前にシミュレーションをして支払総額を抑えられるか確認しましょう。

借り換えをすることで、信用情報にどのような影響がありますか?

新規でカードローンに申し込み、借入件数が増えた記録が残ります。ただ、その後速やかに契約中のカードローンの借入残高をすべて返済することで完済のデータが記録されます。借り換えで信用情報に傷がつくわけではありません。

カードローン借り換えに関する相談はできますか?

借り換えに関する相談は、金融機関のチャットやメールのお問い合わせフォームからご相談ください。
小宮 崇之
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
小宮 崇之(こみや たかし)
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。